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■3215 / 2階層)  ヒーローと裏生徒会SS
□投稿者/ 阪 一般人(1回)-(2011/10/02(Sun) 23:34:54)
    2011/10/02(Sun) 23:41:01 編集(投稿者)
    2011/10/02(Sun) 23:36:02 編集(投稿者)

    一応完成。
    このあと本当は蛇足的にアジトに乗り込むシリアスな話があるんですが、そこまで無理だったorz
    余裕があればかきます。。

    適当に修正してください。


    カツ、カツ、カツ…
    暗闇の中を足音だけが響く。
    カツ、カツ、カツ…
    一寸先も見えない完全な暗闇を、その足音の主は迷いなく進む。
    カツ、カツ、カツ。
    足音が止まった。そして一瞬の静寂。
    「諸君」
    足音の主が声を発すると同時に、光に照らされその姿が現れる。
    白い長ラン、腰には長剣、そして金の縦巻きロール。女性だった。それもおそらくかなりの美人。
    何故おそらくかといえば、その顔は陶磁器のような白い仮面で覆われていた。
    「裏生徒会会議を始めよう」
    その一声で場の明かりが一斉に灯り、そこが広い吹き抜けの空間であることがわかった。その空間を学ランの生徒たちが埋める。
    会議の始まりに皆一様に拍手をしているが、その表情は読み取れない。そう、皆が皆、白い仮面をかぶっていた。


    ここはakiharu国裏生徒会本部。
    学園都市が発展するにつれ肥大化した生徒会、その過激派が分離して出来た悪の生徒会。
    開会を宣言した彼女こそ、その初代会長である。
    「では、副会長。これまでの活動の報告をしたまえ」
    彼女はその空間の一番上の階から下を見下ろす。中階に3人、幹部と思しき者たちが跪いていた。
    「はっ、まず私の部隊から」
    副生徒会長の男は生真面目そうに報告書を読み上げる。
    「一つ、抜き打ちテストの予告速報を開始いたしました。多くの生徒がこれを秘密裏に利用し始めています。
    一つ、今朝より学園中の時計を15分遅らせております。これによって遅刻者が0に…」
    「あはははっ、効率悪ーい」
    茶々を入れたのは男のすぐ隣のポニーテールの女。
    「なんだと、会計」
    「だって、凄く無駄な努力だもの。ねぇ、もう私の部隊の報告でいいかな?いいよね。
    私は連絡網で一時間目は休講って流したの。電話一本でとっても省エネでしょ?」
    「それでは結局遅刻になるじゃない」
    さらに隣の女が加わる。会計はむすっとしてその女、つまり書記を睨みつける。
    「あんたのところはどうなのよ」
    「私たちは全ての教室の照明の電源をカットした。これの意味することつまり、」
    はーっ、と副会長と会計は溜息。
    「どうせ暗い中で授業を受けさせて目を悪くさせようっていうんでしょ」
    「そう、そして生徒たちの眼鏡率をアップさせるのだ」
    書記は仮面の上からかけた眼鏡をくいっと上げた。

    「もう良い」
    永遠と続きそうな3人の報告、もとい口論を止めたのは会長だった。
    「お前たち、我が生徒会の目的を述べよ」
    「はっ、生徒たちが自由と青春を謳歌できるよう学園を革命することであります」
    「そうだ、そのためには手段を選ばない、それが我が裏生徒会。それを忘れるな」
    「「「はっ」」」
    三人が深く頭を下げたのを見て、頷く。

    「さて、時に次週、大規模作戦を行おうと思う」
    おおっ、というどよめきが広がる。
    「作戦内容は後で伝えるが、これも全て我ら生徒の自由と青春のためである。準備を怠るな」
    そこまで言うと、会長は腰の剣を抜き、天に掲げた。
    「学園に革命を」
    「「「学園に革命を!」」」


    /*/


    ここはakiharu国、学園都市。
    いつも平和な学園だが、最近ちょっとした異変が起こっていた。
    学校中の時計が狂わされていたり、教室の蛍光灯がつかなくなったり。
    そして今日もその異変が起きようとしていた。

    「キャー!!」
    生徒の叫び声とともに響き渡る破壊音、そしてガラガラとなにかが崩れ落ちる音。
    「なんだなんだ」
    いち早く駆けつけた野次馬たちが目にしたのは、白い仮面をつけたロボット、そしてその剣の攻撃を受け崩れかけた柔道場であった。
    「なんてこと、私たちの柔道場が…」
    「そんな…。…え、あれは…」
    舞っていた土埃が晴れると、柔道場の向こうに現れたのは、学校の校門だった。
    「そう、柔道場がなくなれば4分22秒も早く学校へ着けるのよ、良かったわね」
    白い仮面の士季号の足元から現れたのはこれまた白い仮面の生徒たち。
    「我々は裏生徒会、学園を革命する者。さぁ、そこをどきなさい。柔道場を完全に破壊せねば」

    残された生徒たちは混乱に陥り、逃げる者もいればその場から動けなくなってしまう者もいた。
    しかし、一人の女子生徒は、真っ直ぐ裏生徒会員を見つめていた。
    指を突き付け言い放つ。
    「現れたな、裏生徒会!」
    「何、我らを知っているのか?」
    「お前たちを捕まえようとしていたが、そっちから現れてくれるとはな。生徒会役員、集合せよ!」
    それは生徒会役員の動員能力。そして腕につけられた黒地の腕章。
    彼女は正真正銘、善の生徒会であり、最近の事件が彼らの仕業であるとの調べをつけていたのだ。
    あっという間に他の生徒会役員たちが集まり、裏生徒会員にその長い剣で切りかかる!

    生徒会役員と裏生徒会員の力は拮抗、その場はすぐに乱戦にもつれ込んだ。が、しかし敵には仮面のロボがいる。
    「くそっ、ゆけっ、土季号!」
    「そうはさせるかっ!」
    土季号の前に、一人のバンカラファッションが躍り出る。
    「へっ、話は聞かせてもらったぜ。これはちょっと番長として黙っちゃおけねぇなぁ」
    現れたのは通りすがり番長。争いの匂いを嗅ぎつけてそれを治めに来たのだ。
    「くっ、だが一人で土季号に勝てると思うのか?破壊を続けよ」
    土季号は乱戦を余所に番長をも構わず、柔道場へ再び剣を向ける。
    「はあぁっ!」
    番長はその輝く拳を振るうが、土季号の攻撃は止まらない。大きく剣を振り上げ、一撃を放とうとした。
    その瞬間――

    「ちょっとまったぁっ!!」

    上から降ってきたもの凄い大声に、一瞬皆動きが止まる。思わず声の主を探しあたりをきょろきょろ見回す。
    「ここだぁっ!」
    声の主はすぐ隣の校舎の屋上にいた。男子学生が仁王立ちで下界の混乱を見下ろしている。と思ったら、
    「とうっ」
    という掛け声とともに屋上から飛び降りた。
    きゃっ、と生徒会役員が悲鳴をあげた、が、しかし。
    「変身っ!」
    彼は落ちながらキラキラとした粒子を放ち、その衣装を再構成する。
    変身したその姿は正しく…

    「お待たせしました、学園ヒーロー、見参っ!!」

    そう名乗りをあげたヒーローの落下地点は土季号。
    丁度振り上げられていた剣を、落下で加速した拳で弾きとばす!
    「なんだと…!」
    「ふっ、真打ちは最後に登場さっ。大丈夫か、番長、生徒会役員の皆っ!」
    おお、と声が上がる。皆、ヒーローの登場に顔を輝かせていた。
    一方、白い仮面たちには表情こそ見せないものの明らかに動揺が走っている。
    「裏生徒会、お前たちは何故こんなことをするんだっ!」
    「我々は自由と青春の謳歌を求める者。学園を革命する者」
    「その革命がこれかっ。お前たちのエゴに泣く者だっているんだっ」
    「ええい、黙れ。土季号、この小賢しいヒーローを排除せよ」
    動きを止めていた土季号が再び動き出し、今度は拳を振るいヒーローを襲う。
    「くっ、問答無用か。こっちの話を聞いてくれるまで闘うぜっ」
    「俺も助太刀するぜ」
    ヒーローと番長は視線を交わし、頷きあう。そして反対側に駆け出した。
    二手に分かれた敵に、一瞬判断を迷う土季号。
    二人はその隙を付いて跳躍、その顔面に輝く拳を振りおろす!

    ばきっ……ぴきぴき、ぴき。

    白い仮面にヒビ。二人分の拳が見事炸裂し、その衝撃で土季号は背面転倒した。
    「やった!」
    あがった歓声は生徒会役員たち。ヒーローと番長は互いにまた頷きあう。
    「よし、観念するんだ、お前たちに逃げ場はないっ。そして聞かせてもらおう、お前たちのことをっ!」
    裏生徒会員たちの生徒会役員が取り囲む。最初に逃げていた一般生徒もさらにその周りを取り囲んだ。
    「それはどうかな?」
    「何っ?!」
    「出でよ、±季号、工季号!」
    裏生徒会員がその白仮面の眼鏡を光らすと、空から、そして大地から、新たな仮面のロボが現れた!

    「はっ、ヒーローが、一人だけだと思ったかっ」

    空から。ほぼ垂直にして落ちるように。ズシン、と大地を揺らし現れたのは。
    「新の真打ち登場。」
    赤いマントをはためかせた士季号、そしてそれに乗るは新ヒーロー!
    「遅いぜ、まったく」
    「一人で移動させるの、苦労するのよ。貴方もパチモンなんかに手こずってないでこっちに来なさい。」
    現れた新ヒーローは彼を招くと、唖然としている番長と生徒会役員に向き直った。
    「貴方達。私たちだけじゃ士季号の真の力は出せない。手伝ってくれない?」
    「もちろん!」
    「おっしゃぁ!」
    番長と生徒会役員の女生徒をその士季号の手に招き入れる。
    「貴方達はメイン操縦を頼むわ。私たちはサポートに回る。」
    「いいのかそれで?」
    「ええ、そっちの方が慣れてるの。」
    あっけにとられていた白仮面たちも流石に士季号の出現に焦り出した。
    「い、いや、こちらはまだ2体ある。行くのだ、±季号、工季号!」
    「一撃で決めるぞっ!」
    士季号がそのソードブラスターを構える。
    それを防ごうと、±季号、工季号が襲い掛かる!

    「必殺っ!!」

    「「「O. V. E. R. S l a s h!!!」」」

    振り下ろされた光の大剣が±季号、工季号に直撃。そして爆発。
    本当に勝負は一撃で決してしまった…!

    一瞬、勝利の余韻に浸っていたが、すぐに現実に引き戻される。
    「奴らはっ」
    よくよく見れば。倒したはずの土季号が、白い仮面だけ残し消えていた。
    「く、逃げられたみたい。」
    「結局、奴らのことは分からずじまいか…」
    一瞬苦い表情、裏生徒会との再戦を強く心に誓い、皆に呼び掛ける。
    「学園の平和はこれからも俺達が守っていくぜっ!」
    おー!!と歓声があがった。生徒会役員、番長、一般生徒、皆から。
    学園ヒーロー、その活躍を信じて!

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