◎携行火器 ○LR−03 歩兵用レーザーライフル LRとはlaser rifleの略である。愛称は03レーザー。 全長821mm 重量4300g(バッテリーを含み、アタッチメントレール未使用時の値) バトルライフルあるいはアサルトライフルとして運用される、歩兵携行用のレーザー兵器。銃床内部にも部品が内蔵された、ブルパップ的な構造を持つ。 一般歩兵の基本携行火器として支給された。 稼動電力を賄うバッテリーは着脱式で、火薬式小銃における着脱式マガジン同様の使い方ができる。使い捨てではなく、再充電可能となっている。実用再使用回数は30回。 なお、バッテリーから一旦本体内蔵のキャパシター(いわゆるコンデンサー)に電荷を蓄える方式により、稼動に必要な大電力を確保している。電力消費状況に関しては、バッテリー側と銃本体双方に表示装置があり、銃側に置いては残りの照射可能回数も表示されている。 このバッテリーは規格化されており、他の電力使用型火器類等と共用が可能である。 使用されるレーザーは大気による減衰が少ない波長が用いられており、非真空環境下での使用を実現している。 レーザー照射は単発長照射モードと三点短照射モードの2種切り替え式。 長照射モードでは1.5秒間の持続照射を行い、1点に集中することによる装甲の貫通(120mmの装甲版を貫通する)、薙ぎ払うことによる高い命中性の確保あるいは複数目標に対する攻撃が可能であるが、銃身冷却のためのインターバルを必要とする(使用環境によって必要な時間は変わる)。このモードでは1バッテリーあたり10回の照射が可能。 三点短照射モードでは0.3秒の照射を0.2秒のインターバルを置いて3回行い、装甲目標に対する効果は薄いものの銃身加熱を抑えられるため、持続的な射撃を可能とする。銃弾を使用しないレーザー兵器でバースト射撃モードが存在する理由には、従来型の火薬式アサルトライフルの使用感を残すと言う意味もあり、発射速度の遅さ(火薬式アサルトライフルなら600発〜900発/分程度)は無反動による命中精度の高さでカバーするという思想である。このモードでの1バッテリーあたりの照射可能回数は15点射。総照射時間に差が出るのは、内部機構的に短照射の方が電力のロスが大きくなるためである。 有効射程(レーザーの到達限界ではない)は大気環境等に大きく左右されるが、標準環境(霧やかすみのないテラの地表)で長照射2000m、短照射600mとされている。 使用されるレーザーは不可視域にあるため、ヘルメットのバイザーあるいは装着されたスコープにおいて、ヴァーチャルな射線表示が行われる。なお、自身の射撃だけでなく、友軍の射撃も同様に表示される。 機関部前方上部と銃身下部には補助機器装着用のアタッチメントレールが、両側面にはより小型のレールが設けられている。 機関部上部のレールには、各種スコープ類が装着される。昔ながらの光学式スコープもあるがデジタル支援表示が可能な点で高度化されており、他にもダットサイト、暗視スコープ、ヘルメットのバイザーを下ろした状態での照準を提供する小型ディスプレイタイプ等が製造されている。 銃身下部には火薬式アサルトライフル同様にグレネードランチャーを装着可能な他、煙幕等でレーザーが使用不能となった際の射撃能力を提供する実弾ガンユニット(小口径高速弾を使用するPDWに近い構造。3点射のみ)等の補助火器類がラインナップに並んでいる。また本体のレーザー射撃時に擬似的目視を可能とする同軸可視光レーザー照射機もあり、これはヴァーチャル射線表示を持たない友軍との協調行動時に用いられる。 小型レールに関しては、利き腕側にフラッシュライトを装着するのが一般的であるが、小型の近距離用ダットサイト等も存在する。 ○IR−02 歩兵用レールガン IRとはInfantry railgunの略である。愛称は02Rガン。 全長1274mm 重量5320g(バッテリー装着時) 対人・対物狙撃銃として運用される、歩兵携行用のレールガンで、形状はライフル型となっている。LR−03同様に銃床内部にも部品が内蔵されている。また射撃時の安定性確保のため、折りたたみ式ニ脚架を持つ。 分隊あるいは小隊レベルで選抜された射手に与えられ、運用上はマークスマンライフルに近いが、歩兵用レーザーライフルの長い有効射程から相対的な遠距離火力とするために、従来のスナイパーライフル以上の有効射程を持つこの兵器が用いられている。初速の速さから装甲貫徹能力にも優れるため(2000mm先の200mm装甲版を貫通)、射手は時には通常歩兵に同行しての支援、時には対戦車チームの一員となるといった、弾力的な運用がなされる。 稼動電力を賄うバッテリーはLR−03と共用であり着脱式弾倉的な使用方法も同じであるが、こちらは実体弾を使用するため銃弾用着脱式15発弾倉も用いる。キャパシター経由、残り電力と射撃可能回数表示といった特徴もLR−03と同様。 使用銃弾は7.62mmライフル弾を基に開発された専用弾を用い、レールガンにあるまじき薬莢状の構造物が付属する。この"薬莢"は伝導体であり、電磁加速用に用意されたものである。この"薬莢"の存在により弾頭を非伝導体とすることも可能となっており、また複数種の弾頭で"薬莢"を共通化することにより、生産コストの低減を狙っている。弾種としては対人弾頭、徹甲弾等が配備されている。 その初速は3800m/sと従来の火薬式ライフルに比べて遥かに高いが、一方でレールガンとしては低い部類に入る。これは消費電力を抑えるためであると共に、高速発射時に起こる伝導体の電気抵抗による蒸発・プラズマ化を防止するためとなっている。 有効射程は3200m。初速から考えると短いようにも思えるが、これは主に照準装置の限界に起因する。 また弾頭が音速を突破する際の騒音を排除し射撃地点の暴露を防止するという観点から、音速未満の低初速モードも持ち、通常モードとの切り替えが可能。この際の有効射程は600mと火薬式マークスマンライフルにも劣る数値となるが、一方で消費電力を抑えられるため1バッテリー辺りの射撃可能回数は増す。主に中距離での精密射撃で用いられる。 射撃可能回数は通常モードで1バッテリーあたり18発。弾倉の15発に比べて多いが、これはなんらかの要因による電力消費増加を想定した安全値を取っている為で、運用時には15発撃ち尽くすごとにバッテリーと弾倉を入れ替える方法が基本となる。 アタッチメントレールはスコープマウントとして機関部前方上部のみに設けられている。通常は専用の光学・デジタル併用可変高倍率スコープを用いるが、構造上はLR−03用や旧来品など各種スコープを装着できる。 ○ATWS−01 歩兵携行用対戦車兵器システム ATWSとはanti tank weapon systemの略である。愛称はアトゥース。 従来の個人携行用対戦車無反動砲・ロケット砲・ミサイルの延長線上にある、歩兵が携行するための対戦車小型軽量火砲。再使用可能な照準装置付き発射機(携行時に砲身を縮めることが可能)と各種弾頭を組みあせて用いることから、システムという名が用いられる。装弾・照準・発射といった運用を1人できる。 火薬・材質等の各種技術の進歩から、有効性を保ちつつも小型化・軽量化が為されており、発射機の口径は60mm、発射機重量4.7kg、発射機全長は射撃時930mm/携行時780mmとなっている。 使い捨て圧縮空気カートリッジにより弾頭を発射した後、ロケットモーター等に点火する方式となっており、従来の対戦車ロケット等に見られる後方噴射炎がないため扱いやすい。 主に用いられる弾種は発射後に自立誘導を行う撃ちっ放し型の対戦車ミサイルで、誘導方式は非冷却型赤外線画像を使用し、タンデム型の成型炸薬弾頭(装甲貫徹力500mm)を持つ。他にも無誘導型の対戦車成型炸薬弾頭ロケット、無誘導対軽装甲目標/陣地用多目的ロケット榴弾、発煙弾、照明弾など、多種の弾頭を使用できる。 ミサイル/砲弾の全長は種別によるが概ね600mm、重量は4.5kg〜6kg。よって、システム全体の重量は最大でも12.7kgとなる。 前装式だが砲弾はパッケージ化されており、簡便な装填が可能。発射速度は標準で5発/分。 専門の対戦車チームで用いられるほか、1個小銃分隊につき1基を支給するのが標準的な運用方法となる。 通常は発射機と砲弾4発を1人で携行する。