悪の生徒会 「君は大切な人と大事な約束をしているとしよう。  ちょうど同じとき、世界の危機が起きた。  君しか救える者はいない。  大切な人を傷つけるか、世界を滅ぼすか、どちらかしか選べない。  どうする?」 学園ヒーロー 「約束も守る。  世界も救う」 悪の生徒会 「しかし、どちらか選べないとしたら?」 学園ヒーロー 「両方やる。  どちらかしか選べないなんてことはない。  いつだって、みんなが満足できる道が必ずある」 悪の生徒会 「君は夢想家だね。  強欲でもある。  犠牲を考えず完璧を求めた末路を知っているかな?  両方を失うんだ。  なら、ほどほどで手を打つべきではないかい?」 学園ヒーロー 「あなたが何を経験したかは知らない。  だが、どんなに多く挫折しても、次の現実はいつも違う」 悪の生徒会 「君の方が現実的だとでも?」 学園ヒーロー 「未来のことは誰にも分からない。  しかし、望むことはできる」 悪の生徒会 「君に必要なのは、希望ではなく教育だよ。  理想は、かなわないから理想なのだ」 学園ヒーロー 「自分の願いがわからないなら、かなうはずがない」 悪の生徒会 「生徒会に立つ人間が自分のことを知らないと?」 学園ヒーロー 「僕は、あなたが生徒会に入るときに言ったことを覚えている。  『学園から悲しみをなくしたい』  そう言った」 悪の生徒会 「私も若かったのだよ、そのときは。  生徒会に来て、それが分かった」 学園ヒーロー 「あなたは現実を知ったのではない。  組織に染まっただけだ。  生徒会は生徒の代表かもしれないが、生徒会だけが学園のすべてではない」