【データから反省】 街の人たちから非難された私は、自分たちの必要性を証明しようとして大学図書館に向かった。 まず、akiharu国内におけるI=Dによる戦闘の被害を、ヒーロー協会が作られる前後で比べてみた。 ヒーローが活躍してからのほうが、それ以前よりも死傷者や街の被害総額は大きかった。 街が近代化し、人口や建物も多くなったと考え、森林の消失面積も比べてみた。 ヒーローの活躍で森の被害が減っているという発表もいくつかあったが、大部分はそうではなかった。 ヒーローのいない藩国とも比べてみたが、ヒーローがいることで被害が有意に小さくなるという論文は少数派だった。 有事に行われたアンケート調査でも、ヒーローの活動を評価する回答が私の想像より少なかった。 数日かけて調べつくしたが、ヒーローの有効性に否定的なデータのほうが多かった。 客観的な数字として自分たちの活動と向き合うことで、私は今までのやり方ではダメだということを理解した。