“この機体は共通機である。友情はみな等しく、共通して胸に抱いていると信じたい” ──試作1号機の胸部に刻まれた言葉。現在はakiharu国博物館にて展示中 http://mezaden.blogdns.net/awaken_my_mind_2nd/idress/tk2-basic.png !!! 共和国共通新型水陸両用I=D “ターキッシュバン2” !!概要 ターキッシュバン2はにゃんにゃん共和国の新型I=Dである。 開発はakiharu国が担当し、各藩国でライセンス生産されている。 !!開発経緯 ターキッシュバン2は、造船所の機能をフルに発揮することを 考えて作られた機体である。 すなわち、大量生産による大量配備である。 だが、I=Dによる大規模部隊編成には障害があった。 燃費と資源である。 原型機であるターキッシュバンはアメショーの次に生産された機種だけあり、 編成時消費資源が1万tしかかからないという優秀な低コスト機体であった。 それ故にターン11現在でも共和国で広く愛されている。 ターキッシュバン2開発にあたって、このコンセプトを変えることは許されなかった。 この問題に際し、機体仕様を決定したakiharu国藩王涼原秋春はこう述べている。 「整備性は造船所の能力で賄う。  たとえ工数が増えても構わない、ターン終わりの整備難度が上がったとしても、  編成の度にかかる資源をカットすることが重要だ」 つまりそれは、一度整備すれば1ターンの間パーツ補充や交換を ほとんどせずとも完動する丁寧な作りを意味していた。 なお、燃料問題に関しては共和国では燃料採掘地や燃料削減技術が普及しており、 出撃及び射撃戦にかかる燃料には多少の無理が効くものとして勘案された。 !!万能から限定特化へ 「……うん、白兵機能を取っちゃおう。白兵は燃料食いだ。  ターキッシュバン2は、射撃戦に特化した機体にする」 ターキッシュバン2の開発にあたり省かれた機能として近接格闘や水中で使われる武器が挙げられる。 なぜ、格闘武器を省いたか。 以下にその理由を列挙する。 ・接近戦では敵との相対的な位置関係が変化しやすい。  たとえば、正面1000m先にいる敵が10m横に動いたときを考える。  その場合、移動後の敵も視界のほぼ正面にいる。  しかし、正面10m先にいる敵が10m横に動けば、敵の位置は斜め前になる。  つまり、敵との位置関係が大きく変化する。  これを未熟な操縦者が対処するのは困難である。 ・操縦者に遠近両方の戦闘訓練を行うと時間がかかる。  格闘に関する訓練を省けば、その分、短時間で訓練できる。 ・接近戦が必要ならそれが得意な機体を運用すればよい。  たとえば、ペルシャやサイベリアンなどである。 ・そして何より、共和国コパイロットのスタンダードである猫妖精は白兵が強い分、燃料消費が激しい 以上のような理由から、格闘武器は取り除かれた。 「万能機ならサイベリアンがある。  白兵能力は負けてもいい、射撃戦能力で勝てばいい。  僕たちは違う路線で勝負する」 こうして、ターキッシュバン2は、 ペルシャ以降の共和国共通機の流れである、万能性に逆らう道を歩み始めた。 また、副次的効果として、白兵戦能力をオミットしたことにより 格闘戦でトラブルが続出する腕部及びマニピュレーター部の 強度を低下させる事が可能となり、整備性は向上した。 「しかし、水中戦の相手として考えられるのはRBです。RB対策を考えた装備をするべきでは?」 「RBの相手は、ターキッシュバン1と、士季号に任せるよ。それに、他の国にはRBだってある。目には目を、だ」 水中用武器が省かれた理由はその多くが高価だからである。 水陸両用機であるターキッシュバン2は水対水戦闘よりも、 水中/水上航行能力を利用した強襲揚陸戦を想定しており、 結果、陸戦武装の比重を重くすることとなった。 もっともすべての武器が水中で使えないのでは困る。 そこで大部分を水中輸送できるよう、耐圧防水加工にとどめた。 これにより武器の制限が少なくなり、所持できる火器の種類が広がった。 !!外見デザイン 「ええい、こんな紙では僕の創造意欲は収まらない!」 ──紙に紙を継ぎ足して設計を続けるメインデザイナー・橘。 このとき、橘は勢い余って設計図面用紙1枚に全容を収められなかったという逸話が伝えられている。 ターキッシュバン2は特にこれという理由無しに最初から女性的なフォルムにしようという話になっていた。 きっかけは「ターキッシュバンと言ったらやはりスカートだから女性形にしようぜ」 というakiharu国藩王の直感による発言だったと言われる。 経緯はともあれ、水中抵抗を減らす上で流線型フォルムにするのは理に叶った発想であり、 またスカート部に水中用推進器を装備していたターキッシュバンの思想を生かすのは当然の流れであった。 無論それとは別方向に力強さを求めた案もあったが、 (ここでSHIGUさんの再初期版ラフ) 他機種との運用方針を明確にするため不採用となった。 他にも脚部を廃する案や、 (ここでSHIGUさんの脚無し版ラフ) 頭部にウォータージェット吸入口を配した通称“Plan-Neko-Mimi”等もあったが、 (僕verターバン2ラフ) 最終的にはターキッシュバン1のメインデザイナーであった橘のプランが採用となった。 (ターバン2の線画を配置) このプランは外見上の美しさもさることながら水中抵抗が極めて少なく、 またボリュームアップされたスカートによる推進力が大いに期待できるものであった。 !!信頼性向上を目指して ターキッシュバン2は生産と整備を造船所に頼り、 編成時のランニングコストを削減した機体であることは先に述べたが、 だからといっていたずらに整備性を悪化させているわけではない。 各部の部品はできるだけモジュール化されており、戦地整備を容易なものとしている。 モジュールとは部品をまとめたもののことである。 交換や着脱が容易であり、未熟な労働者や整備士でも扱いやすい。 むろん、扱いやすいといってもターキッシュバン2は兵器である。 モジュール間の接合は、戦闘での衝撃や磨耗を考える必要がある。 モジュール化できなかった部分についても整備性を考慮した工夫がなされている。 ・ケーブルはできるだけ1本にまとめる。  (たくさんケーブルがあると、どれがなにか分かりにくい) ・コネクタは戦闘中に抜け落ちず、整備中には抜き差ししやすいようにする。  (特殊な工具を使わずに手で抜き差しできる) ・コネクタの差込口に異物が混入しても、ちゃんと接続できるようにする。  (接点を増やして接触の信頼性をあげる) ・故障しにくい部品を使う。  (整備頻度を減らす) 等が挙げられる。 また、ターキッシュバン2は仕様がちゃんと決められ、 作り手が想定した使用条件や使い方が文書化されている。 たとえば、電源電圧範囲は ・性能保証電圧範囲  (全機能が完全に発揮されることを保証する範囲) ・動作保証電圧範囲  (最低限の機能を保証する範囲) ・非破壊電圧範囲  (1分間流し続けても壊れない電圧の範囲) などに分けて仕様書に書かれている。 また、耐環境性能 ・性能保証温度(湿度)範囲 ・動作保証温度(湿度)範囲 ・保存温度(湿度)範囲  (1分間放置しても壊れない範囲) などが明記されている。 操縦面では、未熟な兵が運用することを想定している。 そのため、仕様書には下記の点を満たすように書かれている。 ・搭乗者が使い慣れた、あるいは自然と感じられる方法で操縦できる。 ・なるべく少ない操作で操縦できる。 ・操作するスティックやボタンなどが楽に手の届く範囲、見やすい範囲に収まっている。 ・適度な力、方向で操作できる大きさ、形状、強度になっている。 ・搭乗者の体形や姿勢に関係なく操縦できる。 ・搭乗者の操作に対し、素早いレスポンスを返すことができる。 ・必要な機能を必要なタイミングに提供している。 ・五感、特に視覚と聴覚によって、容易に情報を認識できる。 ・認識しやすい位置に情報が提示される。 ・情報を提示している時間が適切である。 ・分かりやすい表現、言語が使われている。 ・理解に必要な情報が過不足なく与えられている。 仕様書は開発の進行に応じて、開発状況を把握できるよう改定されている。 ターキッシュバン2の設計仕様書の初版はver0.7である。 これは以下の2つがベースとなっている。 ・ターキッシュバン設計仕様書ver3.2  (開発開始当時、従来機の最新の仕様書) ・ターキッシュバン2システム構想書ver1.1 仕様書ver0.8は量産機を開発する視点で検討を進めたものである。 動作検証用実験機設計のためのハードの仮仕様修正という位置づけである。 ver0.9は早期に開発が必要な部品に関して検討を進めたものである。 先行開発部署が発行する最終版という位置付けで改定、発行された。 既存汎用機の流用を基本に、開発期間の短縮とコスト削減を目指し、機体構造を最適化している。 ver1.0は量産開発部署が発行した正式版である。 ver0.9で検討中や暫定であった部分を修正し発行した。 ターキッシュバン2は従来機の問題点に対しては恒久対策を施し、再発を防止している。 さらに予想される不具合の未然防止を目標に設計、開発されている。 また、他のI=Dにはない特徴的な機能が備えられた。 それは自己診断機能である。 自己診断機能は整備性改善のために用意された。 その機能は機体に不具合が生じた際にその状況を記録するというものである。 記録されるデータは以下の2つである。 ・いつ、どんな状況で異常が発生したか? ・どこの部品がどのような状態になっているか? 記録されたデータは状況に応じて後方部隊に知らされる。 整備士は送られたデータから修理の必要があるかを正確に判断できる。 また、あらかじめどこに問題があるかを知ることで素早く調整できる。 操縦者が望めば整備部隊への自動通信はOFFにできる。 たとえば、敵に発見されると危険な状況では通信しないほうが安全である。 もちろん、自己診断機能を搭載したせいで問題が起きると本末転倒である。 例に挙げると ・自己診断機能のバグで機体の全システムがダウンした。 ・自己診断機能の修理に時間を取られて、他の整備ができなかった。 このような事態は操縦者の命にかかわる。 ゆえに、自己診断機能は単純かつ堅牢に作られている。 幸い、この機能は構想段階ですでに採用が決定されていた。 そのため、機体と調和するように設計することができた。 !!武装 ターキッシュバン2の武装は、 原型となったターキッシュバンよりどれも強力になってはいたが、 現在最新鋭の共通機であり、荷電粒子ビーム兵器や電磁加速レールガンを装備するサイベリアンに比べると、 いささか旧型といわざるをえなかった。 より強力な最新鋭の武器を、と開発者から意見が出たが、 藩王と、摂政である444はそれを固く拒んだ。 「第五世界で使えなければ意味はない」と。 第五世界からはもう黄オーマの脅威も去ったはず、 これ以上あの世界で何をする必要があるのか、と疑問の声が上がったが、 それに二人はこう答えた。 「青いオーケストラのために」 「僕たちの友人と、その世界のために。  ……僕たちは参加できないかもしれないけど、  共通機として、この機体が間に会えば、それでいい」 二人の手には、岩崎と刻まれたコインが握られていた。 ----- 儀式魔術・青いオーケストラ: ガンパレードオーケストラ・青の章では、 人類と幻獣の和解の第一歩が踏み出されましたが、 現在何者かの時間犯罪により、それが妨害されています。 青いオーケストラはその時間犯罪を排除するイベントだと 現在推測されています。 ----- 以下がターキッシュバン2の各武装である。 当初はターキッシュバン1の携帯兵装を完全流用する事によるコストダウンも考えられていたのだが、 運用方針上せめて第5物理域テックレベルの許す限りの火力は必要ではないかという という技術部からの強い要望により、ターキッシュバン2の兵装は一から見直される事となった。 !11式レーザーキャノン ターキッシュバン2の肩部にマウントされる、新たなる主砲。 大口径レーザーキャノンであり、大気圏内での減衰すら出力で押し切るという暴力的な思想の元設計された。 ホバー機であるターキッシュバンシリーズで反動のある実体砲を使用することには無理があるとの報告相次ぎ、 されども荷電粒子ビーム砲はガンパレード世界のテックレベルでは 動作しない恐れがあったためにレーザー砲が採用された。 もとよりakiharu国ではレーザーを主砲とする士季号を発掘しており、 TLOとならない範囲でその技術をフィードバックすることで高精度レーザー砲開発に成功した。 射程は約6000m。宇宙用レーザーには遠く及ばないが、射程よりも動作物理域と減衰防止を優先した結果である。 当然ながらレーザーは光速であり、また破壊力を持つレーザーは可視領域にないため、 発射前にポイント用のレーザーが照射される。 !11式内蔵レーザー機銃 ターキッシュバン2では白兵戦が出来ないため、 接近を防ぐために装備された装備。アメショー等では7.62mm機銃が一般的であったが、 弾薬搭載スペース等諸々の問題からレーザーが採用された。 レーザー兵器は火薬兵器に比べ汎用性、生産性、整備性などは大きく劣るが、 装甲内部に弾薬用のスペースを割く必要がない事、そしてレーザー発射時はほぼ無音であるため、 ターキッシュバン2の隠密性と静粛性能を損なわないという理由から採用される事となった。 大気圏内でのレーザー使用は減衰問題と隣り合わせであるが、 近距離用装備であれば距離による減衰もさほど問題とならなかった。 !11式92mm水陸両用ロケットポッド 下腕部、あるいは肩部ハードポイントに外接される武装。 水中航行時の抵抗を極限化するため、整流効果のある流線型で、潜水に耐える耐圧式となっている。 ロケット本体は安定性の高い固形燃料を使用し、コストダウンのために非誘導式となっている。 実質上RB魚雷に近く、水中戦でのメイン武装であると共に対地爆撃も可能。 !11式複合型ハンドライフル“AMHR” advanced multiple hand rifle. ターキッシュバン1で使われた04式複合型ハンドライフルの思想を推し進め、更にモジュラー化を進めたモデル。 複合型ハンドライフルの下部砲をモジュラー化して、換装できるようにしたものであり、 歩兵用のアサルトライフルで見られるタイプ。 口径は20mmにサイズアップされた。これは第5世界の人型戦車や対空戦闘車で使われている 20mmガトリング弾帯をそのまま接続する事も視野に入れられているためである。 AMHR用炸裂弾発射モジュール 上記の突撃小銃に接続するグレネードランチャーユニット。 マイクロチップを搭載した40mm高性能榴弾を発射するようになっている。 この弾頭は信管の制御によって炸裂タイミングを変更することが出来、 瞬発・遅発・空中爆発・任意の距離での炸裂など使い分けることが出来る。 またタイミング制御機能を停止すれば従来の40mm榴弾も発射できるため、 AMHRは主にこのモジュール装備が一般的である。 AMHR用近接散弾砲モジュール ターキッシュバン2では白兵戦が出来ないために、 近接戦時に白兵距離に持ち込まれるのを防ぐために用意されたユニット。 銃身が短いソードオフショットガンで、散弾を射程内に激しくばらまく。 貫徹力は低いが、ソフトスキン対象に対しては有効であった。 またパイロットによっては大口径のスラッグ弾発射に使う場合や、 照明弾、鎮圧用ガス弾発射に使う等、歩兵用ショットガン同様に用途は多彩である。 AMHR用赤外線測距モジュール 赤外線レーザーを照射して目標に当て、自機位置からの距離と方角を正確に測定するシステム。 友軍の間接砲や狙撃機に目標位置を正確に伝える際に用いる。 このモジュール自体に攻撃力はないが、友軍機との連携で高い効果を出すと考えられている。 !04式120mm無反動砲改 ターキッシュバン1用に開発された120mm無反動砲を 2の装甲やマニピュレーター形状に合わせて改修したものであり、性能自体には変更点はない。 レーザーキャノンは煙幕や天候といった諸要素に弱く、 またミッションによっては破片攻撃が可能な実体弾兵器の需要が未だあったために引き続き採用されている。 !04式六連装榴弾砲改 ターキッシュバン1の肩部装着式六連装榴弾砲を、装甲形状の変更に合わせて改修したもの。 中距離での榴弾連射が可能であったターキッシュバンはターン11現在、未だ共和国トップの中距離性能を持っており、 その有効性は実証済である。 !04式特殊弾頭発射筒“大花火” よりスタイリッシュになったターキッシュバン2であったが、大花火の血は絶えていなかった! 照明弾や信号弾、煙幕弾を発射できるほか、魚雷発射管、通常弾頭の曲射にも使用できる 脅威の万能度が意外にもパイロットに好評であり、 AMHR用ショットガンモジュールで特殊弾を発射できるようになった現在でも現役である。 なお、新たな対応弾頭としてトリモチ弾、ネット弾が開発された。 にゃんにゃん共和国治安維持軍広報部が民衆へのイメージ向上のため、 祭りの際にこの装備で文字通りの花火を打ち上げたという逸話もまことしやかに語られるが、真偽は定かではない。