1. 開発秘話
  2. 変身ヒーローとは
  3. ヒーロースーツバリエーション
  4. ヒーロー協会
  5. 要点/周辺環境
  6. スタッフリスト

#1 開発秘話

以下がakiharu国技術開発部に藩王から要求されたスペック表である。

L:変身ヒーロー = {
 t:名称 = 変身ヒーロー(職業4)
 t:要点 = ポーズ、並んで、コスチューム
 t:周辺環境=採石場
 t:評価 = 体格X,筋力X,耐久力X,外見X,敏捷X,器用X,感覚X,知識X,幸運X
 t:特殊 = {
  *変身ヒーローの職業4カテゴリ = 職業4アイドレスとして扱う。
  *変身ヒーローの取得には根源力X万を必要とする(通常より多め。4〜5万くらい?)
  *変身ヒーローは正義を守る限りにおいて全判定に評価+Xされる。
  *変身ヒーローは正義を守る限りにおいて攻撃判定時に同調行為が可能であり、必ず成功する。(75%ルールを満たさねばならない)
  *変身ヒーローはI=Dとバイクのパイロットになることが出来る
 }
 t:→次のアイドレス = ???

スペック表を見て技術開発スタッフが思ったことは1つである。

「うわぁ……強すぎね?」

このとき彼らはakiharu国には珍しく同調判定に成功していたとも伝えられるが、本筋とは関係ない。
だが、メカとヒーローにうるさいというか
むしろ目をぐるぐるさせることで知られる藩王、涼原秋春はそんな視線にもめげず語る。

「まあ待て。まず第1に、ヒーローである以上正義を守らねば意味がない」

人差し指を立てる。スタッフはそのあまりにも自信満々な態度にうなずくしかない。

「第2に、ヒーローである以上バイクに乗れないとまずいだろう。
 あと、巨大ロボにも乗れるべきだ! 合体できる奴が特にいいな!」

あ、目がぐるぐるしてきた。
そもそもバイクは帝國にしかないじゃないか、というツッコミを我慢するスタッフ。

「第3! ヒーローつったら合体攻撃だろ!
 武器組み合わせてバズーカにしたり、ダブル○×キックとか、合体ロボ必殺技とか!
 そこで同調できなかったら悲惨じゃないか!」

理屈はともかく、勢いはあった。
ついでに士季号関連スタッフも同調判定の苦い思い出を思い出して泣いていた。

「でも……これだけ強いとTLO判定出ませんか? ただでさえうちの国、目を付けられてるのに」

スタッフが念頭に置いていたのはバンバンジーチームであった。
そもそもニューワールドでは変身ヒーロー=バンバンジーという印象が強い。そして超辛戦士は例外なくTLOだ。
だが。

「ああ、それについては心配ない」

「……何か秘策でも?」

「──どうせこれ、高物理域じゃないと動かないよ」

涼原の眼鏡が、怪しく光った。

※なお、これはakiharu国技術開発部への発注内容であり、実際にこのスペックになったかは別問題です
 ただまあ、ただでさえTLO問題でぴりぴりしている情勢下なので、
 その点を重視して開発されたことは想像に難くありません

 


#2 変身ヒーローとは

七つの世界における変身ヒーローは超辛戦士や異能英雄オレンジフレア等、エヅタカヒロ作品の印象が強いが、
実は前ループ遺産に頼らないヒーローが1例確認されている。
第6世界群の1つ、比較的第7世界寄りに位置する物理域に、“その世界”は位置している。
それは、生まれながらに特殊能力を持つ人間──“ヒーロー”が大量発生する世界だったのだ。
その1例、『カーリー・ザ・ライトニング』のスペックを挙げると、以下のようなものとなる。

・「変身」のワードとポーズに対応して強化スーツが全身を覆う

・破壊音波や超音波視覚等、音波を操る

・音波で気流を操り飛行

・生身での高G機動が可能

・正義馬鹿

後にカーリーがMEIDEA級のパイロットとして調整改造された事件を踏まえても、
これは十分すぎる程に要求スペックを満たしていた。
また、第6世界群固有技術であるため、TLO判定となる可能性も低いと判断される。
──ただしこれは無条件に採用して良いものか躊躇われる技術でもあった。
なぜなら、この技術は元々セプテントリオンが開発したものであるからだ。
だがしかし、マッドサイエンティストならぬマッド藩王の呼び声高き涼原秋春はGOサインを出した。

曰く、

・いやカマキリにOK出しといて今更元がセプ製だからって忌避するのも変じゃない?

・生まれはどうでもいいんだよ。その力で何をするかが大事なのであって。

・そもそもうちの国ってあらゆる異能を肯定する国だよ? ヒーロー能力だってその一環だろう。

・正直な話、悪の組織が作った技術で生まれたヒーローは王道じゃないか!

途中までいいこと言ってたのに最後の1行でぶちこわしである。
ともあれ、こうしてakiharu国に新職業「変身ヒーロー」が生まれることとなった。

──とは言え、akiharu国の場合新たに改造手術を行ったりする必要はなかった。
この混沌とした藩国において異能力はごくありふれた物であり、
念力でパンを作るくらいはごく日常的な光景である。
つまり、そこら辺にうろうろしているカマキリやサイキッカー、或いは鬼畜眼鏡や風紀委員のうち
正義感溢れる者達に強化スーツ発生装置を支給してやるだけで済んでしまったのである。
特に、黒オーマと共に各国の平穏のために飛び回っていた国民へ優先的に支給されたとも伝えられる。
しかし、強化スーツシステムは外見を各自カスタマイズできるため、当然のように統一感は皆無である。
つまり、akiharu国は多種多様なヒーローが乱立するカオス国家となった……!
元が元だから大差ないと言ってはいけない。
なお、第1世界のアメコミみたいなもんだからこれはこれで! と関係者が述べたとはもっぱらの噂である。


#3 ヒーロースーツバリエーション

akiharu国の変身ヒーローはマテリアライズ・スフィアに入力したデータによって様々な外見を持ちます。
これらのスーツは、着用者の命を守り、力を増幅するのです。

そこで、ここでは強化スーツのデザイン見本の一例を紹介いたします。 
もちろんこれ以外のデザインも自由自在ですし、
デザインが異なっても能力的優劣はございませんのでお好きなデザインをお申し付けくださいませ

このスーツを手にする皆様が、たくさんの笑顔を守りぬけますように。 

1:スペースシェリフ系

こちらのスーツは宇宙という空間に合わせてメタル系で気密性の高いデザイン、そして刑事カラーを配したデジタルパトランプ付となっております。 

2:ライダー系

こちらは竪穴より生まれたアルビノのカマキリをモチーフに作られた強化スーツでございます。 
ライダーという特性上、バイクに乗りやすいよう伸縮性の高い素材、そして各所の保護を目的としたデザインとなっております。

3:超人系

こちらはうちの強化スーツの中でもレア度の高い超人系スーツでございます。 
肉体がそのまま変化したかのように見える、肉襦袢型強化スーツと、カツラ型ヘルメットとなっております。 
もちろん強化スーツですので実際に強くなることが可能です。 

気弾は出せないのか?ですか? 
標準装備としては付いておりませんが、オプションで付けることが可能な場合もございます。 
もちろん、それなりのマイルはいただくことになりますが。 


#4 ヒーロー協会

変身ヒーロー協会とは、その名のとおり変身ヒーローの育成と支援を行う組織である。

ヒーロー協会の目的は3つある。
1つは、ヒーロー候補生たちを変身ヒーローの名にふさわしい、力と知恵と志の持ち主として訓練することだ。
変身ヒーローとは、強力な装備である変身アイテムがあるから強いのではない。
ヒーロースーツと、鍛え抜かれたヒーローの力、
そして誰かの役に立ちたい、助けたいという正義の心が合わさることで、
はじめて無敵の変身ヒーローが誕生するのだ!

そのために、日夜ヒーロー候補生たちは、正規ヒーローとなるべく、
協会の訓練施設で訓練に励んでいる。

では、ここでヒーロー候補生たちの訓練の様子を見てみよう!

 

訓練1:運動

ヒーローには当然ながら、悪と戦う体力が必要である。

「今日は、この転がる岩から逃げきる訓練を行う! (ぐしゃ)……よーし、まず一人!」
「教官が殺す気だーーーーー!」
「馬鹿野郎、俺だって顔で笑って心で泣いてるんだよ! 喋ってる暇があったら走れ!
 (ぐしゃ)……よーし、二人!」

「嘘つけこの野郎ォオオオオ……!」

余談だが、今回は悪の口先に騙されない訓練も並行して行っている。
嘘じゃないぞ!

 

訓練2:I=Dの操縦訓練

I=Dの操縦。巨大ロボを操ることはヒーローにとって必須の技術である。
ロボを愛する心、それによってヒーローたちとメカは一つになるのだ!

「みんな、I=Dと心を一つにするんだ!」
「おうよ!」
「やってやるぜ!」
「なお、心を一つにできなかった場合、その訓練用I=Dは爆発する」
「ちょっと待てぇえええええええ!」

歴史的補講:
この後、訓練は成功したが、
罪もないI=Dを人質に取るとは許せん、と逆上した訓練生たちがI=Dを操り、教官に襲いかかった。
ヒーローらしく彼らは教官を殺しはしなかったが、えらい勢いでボコボコにした。
なお、I=Dの爆発は訓練を成功させるためのはったりであり、
訓練生たちは、I=Dを降りた後で教官によってボコボコにされた。

 

訓練3:知恵

ここでの知恵は、評価値でいうところの知識ではない、
判断力と言う意味での知恵である。

「諸君、我々の仕打ちに対して納得行かないことも多々あるだろう。
 だがそれが世界の流れというものだ。
 ただ理不尽に対して暴力で抗うか、それとも別の道を探るか。
 その答えが諸君の胸の内に芽生えていることを私は願っている」

 

訓練4:正義の心

言わずとしれた、ヒーローに最も大切なものである。

「正義というものは、人それぞれ、星の数ほどある。
 誰の胸にも、君の胸にも宿っている。
 誰かを傷つける悪を倒すことが正義か。
 大切な人々を守り抜くことが正義か。
 力を振るうことには常に責任が伴う。
 正義とは何か。悪とは何か。
 常に考えてくれ」 

 

訓練5:バイク訓練

藩王の趣味で行われるのが、このバイク訓練である。

「ヒャッハー、ギャグ、ギャグを寄こせーーーー!
「きょ、教官!?」

教官たちは、前2つの真面目な訓練でギャグ欠乏症に陥っていたのだ!
今の彼らはバイクに乗って暴れまわる、ただのギャグ中毒者たち。
このまま彼らが野に放たれれば、世界はギャグの炎によって焼き尽くされ
ギャグ一色に塗り替えられるだろう。
それはそれで幸せな気がするが、そうではない。
ギャグとは、シリアスがあってはじめて輝くのだ。
砂糖と醤油のコラボレーションがお餅を美味しくするのだ!
さあヒーロー候補生よ、バイクに乗って悪を倒すのだ!

 

訓練6:合体技

「そういうわけで死ねーーーーー!」
「ギャーーーーーーー!」

こうして、悪との戦いで、合体技が誕生した!
……誕生したんだ!

 

こうして様々な訓練を乗り越えたヒーロー候補生たちは、
身体能力と知恵、そして正義の心を試される卒業試験に合格することで
一人前のヒーローと認定され、変身アイテムとしてヒーローの証であるマテリアライズ・スフィアを授与されるのだ。
この変身アイテムは協会の会員証も兼ねており、偽造や複製を防ぐため、様々な技術が使われている。
そのため、内部構造についてはブラックボックスとなっている。
ただし、協会の公式発表ではTLOは使われていないとのことである。
変身アイテムは非常に小型であり、別売りのオプションと組み合わせることで、ベルトのバックルや腕時計、携帯電話などに偽装することができる。
むろんワンドやステッキ、コンパクトのような魔法少女系ヒロインのアイテムにすることもできる。
変身アイテムの故障時には、始末書を書くことで無償で新品と交換できることになっている。

……と、ヒーローたちの訓練の様子も終わったところで、
ヒーロー協会の他の目的を紹介しよう。
2つ目の目的、それは、ヒーローたちがその強大な力を悪の道に使わないようにするためである。
変身ヒーローたちは、強力な力を持っている。
そして何よりも正義の象徴である。
変身ヒーローの力が、間違っても悪事に使われることがあってはならない。
そこで、悪に騙されない知性と正義の志の育成、
また、強力な変身アイテムの管理と、ヒーロー権限の管理を行うのである。

ヒーローの証であるマテリアライズ・スフィアには個別認証がされており、
授与された個人以外では変身が不可能である。これにより、悪の手にヒーロースーツが渡ることを防いでいる。
また、ヒーローが悪事を働くなど、変身ヒーローとしてふさわしくない所業を行った場合、
マテリアライズ・スフィアの機能を協会は凍結することができる
.
このとき、マテリアライズ・スフィアは点滅し、そのヒーローがヒーロー権限を凍結されたことを示している。

余談だが、カマキリたちの中にはカマキリとしての変身能力との相性からか、
ヒーロースーツを使った変身能力が機能しない者たちもいた。
(中には生来のものとヒーロースーツのもので、二段変身ができるものもいたが)

彼らを変身ヒーローとして認めるか、会議が行われたが、
「別に自前で変身できるんだから、ヒーローでよくね?」
との結論に10分で達し、通常のヒーローと同様に、
ヒーロー試験に合格することで協会からヒーローとして認定され、
協会のバックアップを受けられることとなった。

彼らについては、会員証としてマテリアライズ・スフィアとは別に
カード型の会員証が配布された。
(この会員証もマテリアライズ・スフィアと同様に、
 ヒーロー権限を凍結された場合は変色することで
 権限の凍結を外からも一目でわかるようになっている)

そして、協会の最後の目的。
それは、ヒーローが存分に力を振るえるための、バックアップである。
ヒーロー間の情報を伝達や、政府や警察組織との連絡など、
何より大切な情報の入手や、他の組織との連携を行う
ヒーローにとってなくてはならない組織なのだ。

 


#5 要点/周辺環境

t:要点 = 

ポーズ :トップイラスト

並んで :トップイラスト

コスチューム :各種イラスト

 

t:周辺環境=

採石場 :文章 「街にも、森にも、海にも、採石場にだってあらわれて

 


#6 スタッフリスト

イラスト : 和志

設定文 : 涼原秋春(メイン)、和志(バリエーション解説)、444(ヒーロー協会)、田中申(ヒーロー協会)

編集 : 涼原秋春

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