開発経緯
ターキッシュバン2は、造船所の機能をフルに発揮することを
考えて作られた機体である。
すなわち、大量生産による大量配備である。
だが、I=Dによる大規模部隊編成には障害があった。
燃費と資源である。
原型機であるターキッシュバンはアメショーの次に生産された機種だけあり、
編成時消費資源が1万tしかかからないのに
中・遠距離ではサイベリアン級という優秀な低コスト機体であった。
それ故に深刻な資源問題が発生したターン11現在でも共和国で広く愛されている。
ターキッシュバン2開発にあたって、このコンセプトを変えることは許されなかった。
この問題に際し、機体仕様を決定したakiharu国藩王涼原秋春はこう述べている。
「整備性は造船所の能力で賄う。
たとえ工数が増えて、10人機になっても構わない、ターン終わりの整備難度が上がったとしても、
編成の度にかかる資源をカットすることが重要だ」
つまりそれは、一度整備すれば1ターンの間パーツ補充や交換を
ほとんどせずとも完動する丁寧な作りを意味していた。
なお、燃料問題に関しては共和国では燃料採掘地や燃料削減技術が普及しており、
出撃及び射撃戦にかかる燃料には多少の無理が効くものとして勘案された。
万能から限定特化へ
「……うん、白兵機能を取っちゃおう。白兵は燃料食いだ。
ターキッシュバン2は、射撃戦に特化した機体にする」
ターキッシュバン2の開発にあたり省かれた機能として、
近接格闘や水中で使われる武器が挙げられる。
なぜ、格闘武器を省いたか。以下にその理由を列挙する。
・操縦者に遠近両方の戦闘訓練を行うと時間がかかる。
格闘に関する訓練を省けば、その分、短時間で訓練できる。
・接近戦が必要ならそれが得意な機体を運用すればよい。
たとえば、ペルシャやサイベリアンなどである。
・白兵戦を考慮しなければ下腕外側に火器ハードポイントを追加することが出来、
射撃攻撃力向上が見込める
・そして何より、共和国コパイロットのスタンダードである猫妖精は白兵燃料消費が激しい
以上のような理由から、格闘武器は取り除かれた。
「万能機ならサイベリアンがある。
白兵能力は負けてもいい、射撃戦能力で勝てばいい。
僕たちは違う路線で勝負する」
こうして、ターキッシュバン2は、
ペルシャ以降の共和国共通機の流れである、万能性に逆らう道を歩み始めた。
また、副次的効果として、白兵戦能力をオミットしたことにより
格闘戦でトラブルが続出する腕部及びマニピュレーター部の
強度を低下させる事が可能となり、整備性は向上した。
「しかし、水中戦の相手として考えられるのはRBです。
RB対策を考えた装備をするべきでは?」
「RBの相手は、ターキッシュバン1と、士季号に任せるよ。
それに、他の国にはRBだってある。目には目を、だ」
水中用武器が省かれた理由はその多くが高価だからである。
水陸両用機であるターキッシュバン2は水対水戦闘よりも、
水中/水上航行能力を利用した強襲揚陸戦を想定しており、
結果、陸戦武装への比重を重くすることとなった。
もっともすべての武器が水中で使えないのでは困る。
そこで大部分を水中輸送できるよう、耐圧防水加工にとどめた。
これにより武器の制限が少なくなり、所持できる火器の種類が広がった。
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