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医療1

 医療 作:東西天狐

はい、じゃあちょっとそこに横になってください。ええ、そのシートの上です。はい?下がゴツゴツしてお腹が痛い?そのくらい我慢してくださいよ、こっちだって出来ればちゃんとした環境でやりたいのを我慢してるんですから。ぶつくさ言わないでおとなしく横になってください。はい、じゃあ下肢のマッサージから。力抜いてリラックスリラックス。

ちょっとした休憩。その間にも医師二人がせわしなく働き続ける。綸子は外傷の処置、東西は針とマッサージによる疲労回復。幸いにしていまのところ二人の手に余るような事態は起こっていない。とはいえ、初めてづくしの地下探索。一体何が起こるかなんてわかりはしない。暗い場所と言うのは往々にしていやな想像を招きやすい。そういった事態の為に自分達は付いてきているのだ。

「皆もだけどォ 貴方達も怪我したらダメよォ?」

サーラ・サーシャに教えられたことを思い出す。まずは自分の身を守り、その上で全員を護る。治すものが怪我をしていては始まらない。

動かないでくださいね、手元が狂っちゃいますから。え?疲れてないか?大丈夫です、これが終わったらちゃんと休みますもの。はい、ちょっとしみますけど我慢してね。でも今のところメスを使わなくて済んでますね。ざんね・・・いえ、何でもないです。はい、もういいですよ。この先も怪我・・・しないように気をつけてください。

彼らは殴ったり壊したりというのも苦手ではない。むしろ得意だったりするのだが今は封印して仲間のサポートに徹している。これは探索クエスト。戦闘だけできればいいって物じゃないのである。それぞれがぞれぞれの役割を果たして一丸となる。それがパーティーと言うものなのだ。