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貧乏脱出作戦

王立商品開発部 貧乏脱出作戦

作:鴨瀬高次

 
 akiharu国は貧乏であった。
 しかも中途半端に。
 北海島会戦では指定の30人の出兵を出せないほどの小国であった為レンジャー救済法を受けられなかった。
 藩王曰く「レンジャー法の適応を受けられれば貧乏をネタに出来るのに!
 あと適応後、うちの国のGNP位置が後ろから二番目って言う辺りが微妙。」
 ネタになれば何でもいいのか。
 しかし、国民一同がそれに同意する辺り、akiharu国の猫らしさが出ていると言えよう。
 ともあれ戦争出費で資金が残り2億しかなかった。
 一億総砂糖水生活である。食料があってもお金がない。飢えた猫士が泥棒猫になったりやけになったパイロットがドラックマジシャンになる有様だった。
 急遽、縁側会議が開かれた。縁側でひなたぼっこをしながらお茶を飲み井戸端会議をする。略して縁側会議である。
 そこで外貨獲得の為に立ち上げられたのが王立商品開発部である。
 部長は忌闇装介である。
 この人物、とにかくノリが良かった。
 
 アイドレス工場も彼によって造られた。
 「フフフ、忌闇さんが作るなら私も張り切って手伝いましょう」と鴨瀬に言われ、締め切りまで残り8時間を切っていたがその気になり、目をぐるぐるにして二時間で設計図を仕上げた。
 一方その頃、鴨瀬は昼休みをとっていた。王庭でハンモックに揺られながら優雅に昼寝をしていた。
 割を食ったのは444と藩王そして橘である。
 慌てて駆けつけたが締め切りまで残り4時間。時間とのせめぎ合いをしながら工場を仕上げるという羽目になる。
 鴨瀬は後からのこのこやってきて、すんませんすんませんと謝まっていた。
 
 閑話休題。それだけノリが良かったのである。
 奇しくも観光地アイドレスを作っている最中であった。
 彼は縁側会議でこう発言している。
 「キノウツンを見ろ!女教師・メイド・ツンデレがいる!この国には何がいる!親父と眼鏡と筋肉しかいない!」
 迷言である。
 ちなみにこの後「じゃあ、うちはBLで攻めましょう」と鴨瀬が言ったが誰も聞いていなかった。
 斯くして王立商品開発部は立ち上がった。
 
 外貨獲得の為、近隣諸国に鳴り響くような萌えキャラを。
 これを合い言葉に商品開発が進められた。
 忌闇が目を付けたのは阪であった。
 彼女は鳥を見つめる不思議少女だったのが、いつの間にか身長130cmで、いつも誰かにだっこか肩車をされているという設定になっていた。
 既成事実とは恐ろしい。全ては本人の知らない間に行われた。
 忌闇はさらに改良小型化。
 橘は叫んだ。「描く度にどんどんちっちゃくっ...!」
 忌闇は言った。「それは進化だにゃー!」
 鴨瀬は頷いた。「可愛いは正義!」
 天狐は思った。(入る国間違ったかもしれない。。。)
 皆、目がぐるぐるだった。
 
 様々な思惑が交錯しながらついにポシェットサイズのマスコット人形が完成した。
 CMモデルには綸子が選ばれた。見事なプロポーション故である。
 決してakiharu国の女性キャラが阪を除くと綸子しか居なかった、からではない。
 無事、撮影が終了。
 ワニ饅頭をもつマスコット人形を首からぶら下げ観光地で遊ぶ綸子のCMは綸子と阪の可愛さ相乗効果により瞬く間に人気となり、akiharu国の観光地・及びマスコット人形は大反響を呼び、中にはポスターを持って帰る不届き者が出たほどであった。
 その経済効果は1ターンで10億にゃんにゃんにも及ぶ。
 
 さて、全てが終わった頃、天領出張中の阪は新聞で自分のマスコット人形が売られていることを知る。
 「知らない間に商品にされてるんですけど(笑)」
 その(笑)の意味を商品開発部の面々が知ることになるのはまだ先のことであった。
 
 次回、王立商品開発部〜超薬獣戦隊ビーストドラッグ開発〜をお楽しみに。

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