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50war_3

akiharu国の50人動員準備(その3)

作:鴨瀬高次

 動員令が発令されてから早三日。
 泥棒猫たちは早くもだれ始めていた。
 集中力は凄いのだが、根が猫だけに持続しないのであった。
 そんな昼下がりの縁側会議場。
 泥棒猫の集団は軍事訓練をさぼってまったりとしていた。
 不安そうにきょろきょろしながら田中申が言う
 「大丈夫なんでしょうか?さぼっちゃって」
 「平気。パイロットの人たちはドラッグを投入してたから気づかないし。」
 涼しい顔をして極選しいたけ茶をずずりと飲む444.
 
 忌闇がテレビをつける。
 --ABCニュースをお伝えします。FEGの是空王がタマ大統領から内々に召集を受けている模様です。またタマ大統領の私邸からは女性の悲鳴が夜な夜な聞こえるといううわ…
 「そんなのよりWNG!WNG!」
 TVのチャンネルをガチャガチャ回す。
 わたしはわたしはせかーいにんじゃガール♪(ぷりてぃーがーる!)という軽快なOP曲が流れ始める。
 忌闇の隣でリズが体育座りをして食い入るように画面をみている。
 
 田中は不安そうに444に話しかける。
 「最近タマ大統領のいい噂聞かないですね…この間の騒ぎで生活必需品まで止まるし。物資不足を解消する為に帝國に攻め入るなんて話も。まるでバイキングのようだ」
 「動員令で収集されてる軍隊集めて、『敵は大統領官邸にあり!』とかやりたいなあ」
 「クーデター!テロリストになるか、革命家になるか」
 「その場合はにゃんにゃん全体がテロリストになるんですけどね」
 「意外と凄い私兵軍を持ってたりして」
 唐突に押入れの扉を開け、のそのそと這い出てくる布団の怪物。
 「やあ、戦争ですか?」
 「うわ、鈴木さんだ。お久しぶりー」
 「……眠い」
 「今の所一般国民レベルでは動きは無いです。寝て下さい」
 「OK、惰眠をむさぼるのは得意分野だ!」
 と勢いよくのそのそ押入れに戻る鈴木。
 よく分からない表情の田中が444に尋ねる。
 「……あの人は何でしょうか?」
 「大族の鈴木さん。大量の弾薬が消費される時以外ほとんど姿を見せない押入れの中の一般市民です」
 「それって引き…む?」
 突然、日の光をさえぎる巨大な影。影から人らしき物と猫が分離。
 「なにをさぼってるんだー!」
 目をグルグルにした藩王が空から降ってくる。次の瞬間、地面に大の字形のクレーターが空く。その隣で音も無く華麗に着地するふしゃ様とアメショー。
 「おやおや、これはこれは。何かと心労が重なる藩王様に体力を付けて頂く為にも生きのいいピラニアを持って行こうとした所で」
 「4さん、それはまさか”生きているピラニア”じゃないよね?」
 よっこらしょと穴から這い上がりながら答える藩王。さすがわが王、アメショーから落ちても平気だっただけの事はある。
 「ははは、藩王様はお疲れのご様子だ。これが生きているピラニアに見えるのですか?」そう言って水槽の中でぴちぴちとはねているピラニアを藩王にていっと投げる444。
 空を飛ぶピラニア、あわてて逃げ出そうとする藩王。だが、先ほどの衝撃で足がもつれている。
 瞬間、ふしゃ様が華麗に宙を舞いピラニアをくわえる。
 「お見事ー」
 ぱちぱちと拍手する一同。
 「ってそうじゃなくてだね!」
 一同の後ろから声がする。
 「随分楽しそうですわね。私達も混ぜて下さいな」
 誰にも気取られずに背面をとった綸子とだっこされた阪であった。顔はにこやかだが口が笑っていない。
 「それはそうと、軍事訓練中と言う事で御公務を引き延ばしにされているはずの藩王様がどうしてこんな所に?」
 「エエット、ソレニハフカイリユウガ」
 「まあまあ、お茶でも飲んで気を落ち着けて下さい」
 話を逸らそうとする444。阪に湯呑みを渡す。
 「そういえば、この間備品点検をしていたら極選しいたけ茶がなくなっていたんですけど」
 「ハテ、ナンノコトヤラ」
 「リズいいか、あれがakiharu国を裏から操る裏番長の阪さんだ。絶対に逆らうんじゃないぞ」
 リズに耳打ちする忌闇。目を丸くしてこくこくと頷くリズ。
 「ツナ缶も大量になくなっていたんですが」
 「ニャー?!」
 「阪さん、そういえば前から試したいお薬が貯まってましたわよね」
 「そうでしたわねぇ、綸子さん。なかなか実験に協力して下さる方がいらっしゃいませんので...」
 吏族達の目が妖しく光る。
 
 以後三日三晩寝ずの軍事教練が行われたと言う話である。
 風の噂によれば「嫌だ、もう動けない!」「あら、もうへばったのですか?口を開けてこのキノコをもぐもぐなさい、このウジ虫さんが。」と言う会話が繰り返されたとかなんとか...
 
 ドラックのご利用は計画的に。
 

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