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KouseikanYusousen

恒星間輸送艦

 「実は今まで黙っていたが、この輸送船は変形する!」
 「おお!」
 「カマキリにな」
 キシャー!
 「なんか鳴いてるよ!」
 「ははは、ばかだなあ。宇宙空間で音が響くわけがないじゃない。ただの精神念波だよ」
 
 ―akiharu国内でよく言われるジョーク―

前日談

 恒星間輸送艦の建造、と聞いたakiharu国の面々は思った。
 
 「なんでうちの国にそんな(まともでしかも致命的な)のが生えてくるんだ?」
 
 akiharu国は密林を切り開いて建国された南国人国家である。
 ドラッガーと泥棒猫を風紀委員が追い掛け回すのが日常風景で、まともなアイドレスはほとんどない。
 いや、まともなアイドレスもあるにはあったのだが、akiharu国の風土に触れると悉く変質してしまうのだ。
 ホントになんなんだこの国は。
 
 ともかくそんなわけで、akiharu国には恒星間輸送艦を建造しようにもノウハウもなければ技術も無い、
 そもそも宇宙港も打ち上げ基地もない。でもうちしか作れないならやるしかあるまいと、
 まさに無謀ともいえる挑戦に踏み切ったのである。
 
 デデデンデンデデンデン デデデンデンデデンデン デデデンデンデデンデ
 
 アイドレスシーズン1、にゃんにゃん共和国は重力の井戸から逃れられなかった。
 
 akiharu国藩王は、宇宙への橋頭塁を築くために国民たちに命じた。
 よし、目立てるし恒星間輸送艦を建造(つく)ろう。

敗北、そして新たなる旅立ち

 「なんで,宇宙艦作るはずが、コンテナ設計してるんだろう……」
 「みんな貧乏なのが悪いんだよ……」
 
 akiharu国の設計技師たちの会話。
 こうして完成したのが、移動方法をリンクゲートに依存した輸送艦である。
 外観上は凹凸の見られない無骨なシンプルなものとなっている。
 見た目については設計技師たちも、これはコンテナだよなあ……と語っている。
 ちなみに、赤は誘導のためのランプである。
 この船は移動に関しては、若干の微調整を除いて慣性に任せる省エネルギー方式を取っている。
 居住空間やメイン推進機構に必要とされるスペースが、一般的な艦船から遥かに少ないことから、
 スペースを緊急脱出用ボートに割り当ててなお、高い輸送力を維持することに成功している。
 輸送艦は、燃料、資源、I=Dなど、あらゆる貨物に対応できるように、
 多目的作業アーム、 垂直及び平行式エレベータ、空調管理システム、宇宙線遮断構造をデフォルトで装備している。
 
 しかし、本格的な機動能力は論外として、リンクゲート通過後に目的地に合わせて進路変更する場合など、
 若干の移動能力が必要とされる場合があった。
 そのために設計されたのが、この外付けのキャリアである。
 キャリアとの接続は、帝國が誇る多目的プラットホーム「ミアキス」でも採用された、
 キャリアとコンテナ(輸送艦)を切り離した方式である。
 輸送艦は、電磁レールによる電磁石と金属アームによる二重ロックで固定される。
 
 輸送力に特化することに成功したこの船は、
 開発の後に数奇な運命を辿ることになる。
 リンクゲート対応に特化して開発が進められながら、
 共和国には星間リンクゲート開発の見込みがついに立たなかったのである。
 そう、時代を先取りしすぎたこの艦は、猫の貧弱な宇宙力には6ターンほど早かったのである!
 
 「具体的だな!」
 「6ターンあればヘイムダルの眼からリンクゲートが……」
 
 しかし、そんなアイドレス2終了直前まで艦を放置しておくわけにもいかない。
 ここで藩王涼原秋春はひとつの決断を下すこととなる。
 宰相府より申し入れられた設計図の技術交換に応じたのだ。
 これに対し開発陣からは少なからぬ反対の声が上がったが、
 藩王自らの説得と爆破テロ阻止に協力した
 になし藩国への友好の架け橋として作られる名誉な機体、として承諾されることになった。
 
 私たちはこの船が、犬と猫の架け橋となることを願う。

機体性能

コンセプト

 非戦闘時に安価に物資を輸送する輸送艦。
 戦闘能力も自力での航路移動能力もないがその分安価であり、
 大量運用で物資を運びやすい。
 
 星間リンクゲートを利用する、という前提から製造において機関推進部は作る必要がなくなり、
 宇宙開発技術を持たない共和国の技師にとって、大きな助けとなることとなった。
 一般に宇宙艦船に求められる要点は、自力推進能力、堅牢性、乗員の居住性である。
 だがリンクゲート間を移動するならば自力推進能力は不要、それによりこの輸送艦は製造・運用費の低コスト化に加え、
 乗員が必要がないと思われるほどに機体の制御系統はシンプルなものになった。
 
 また、この艦は安全に気を配った設計になっている。
 安価に量産できるように可能な限り単純化したほうがいいのではないか、という意見もあった。
 
 しかし、艦の輸送物は高価な燃料や資源が考えられ、
 事故が一度でも起これば、金銭面だけでなく、軍事面でも大損害に陥る。
 また、事故をみこして余分に輸送することは、コスト面で大きなロスとなる。
 信用こそがなによりのコストダウンとなると考えたのである。
 
 事故による損害を抑え、信頼性の有る輸送を行うことで、
 結果的にコストダウンを図ろうとしたのである。

姿勢制御

 輸送艦本体の姿勢制御システム(RCS)には人工衛星の軌道制御や惑星間の飛行に使用されることが多いイオンスラスタを採用している。

操艦

 艦の運動は半自動化されており、事前のプログラムにしたがって対処される。
 しかし、緊急事態への対応や、艦の細かいコントロールのために、一人はパイロットが必要とされる。
 操縦室は、乗員の生存と緊急時の対処のため、安全に気を配って設計されている。

武装

 なし。
 輸送艦に武装など不要とされた。
 「弾を積むスペースがあったら荷物を積め!」とは、開発者の言葉である。

外壁

 宇宙というのはただでさえ過酷な環境である。
 真空による気圧の変化や、宇宙線、 リンクゲート通過前後の環境変化などから、
 輸送物を守る必要がある。
 
 そこで輸送艦の外装を強固なものとした。
 I=D工場において、真空実験や被爆実験などの実験を行い、
 輸送物資を確実に守れることを確認した。
 (ただし、あくまで非戦闘時の輸送業務を想定して設計されているため、
  戦闘に耐えられるほどの装甲はない)

安全装置

 いかに対策を万全に固めても、万が一という事態は必ず発生する。
 フェイルセイフとは、問題の発生を防ぐことより、
 問題が発生したときにどのように対応するかが重要なのである。
 
 そこで、異常の発生を確実に発見できるように、
 内部に温度センサー、放射線センサー、気圧計、バイオハザード感知装置などを設置した。
 また、ビデオカメラを用いて乗組員が艦内の状態をチェックすることも可能である。
 
 異常発生時は可能な限りの対処がされるが、それでも間に合わなければ
 隔壁閉鎖や緊急排除といった緊急処置が取られる。
 これらは自動で行うことも手動で行うことも可能である。

要点・周辺環境

要点

周辺環境

担当スタッフ