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bloken31_444

ぼくらのきたいせいび

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 新型機ターキッシュバンロールアウト直後、
 akiharu国国民たちは、疲れ果てながらもその目はこれからの未来に向けて輝いていた。
 
 「新型機ができたぞー!」
 「おー!」
 「20機もできたぞー!」
 「おー!」
 「よーし、その機体叩き売って金に……もとい、他国に供与するんだ! みんなのために!」
 「藩王様、本音がだだ漏れてます!」
 「ハハハ、何ヲ言ウンダ。僕ハ常ニ共和国全体ノ事ヲ考エテイル男ダヨ」
 「藩王様の目がぐるぐるしている! 医療班ーー!」
 
 しかし、整備命令で全てが変わってしまった。
 
  「既存のアメショーと合わせて31機、こんなに整備できるわけないじゃないか!」
 「うちの国には、整備士いないってのに!」
 「最初から作らなければよかったんだ!こんなもの! こんなもの……!
  どうせ壊してしまうんだったらっ!」
 「藩王様、機体設計者の橘さんが、ドラッグをキメて暴れています!」
 「はい、そんなときはもっとドラッグを注入してみましょう」
 「きゅー……」
 「ああっ、橘さんがおとなしくなった! さらに顔が紫まだらに!
  さすが藩王様だ!」
 「はっはっはっ、押しても駄目ならもっと押してみるんだ!」
  清白さんもドラッグマジシャンとして覚えておくんだ!」
 「はい!」
 「……薬物は、用法と適量を守って使いましょう」
 
 それはそれとして、藩王は悩んだ。
 
 「機体整備は、成功すればでかいけど、失敗すればうちのI=Dが0になる。
  I=D31機捨てるか、欲をかいて元も子もなくすか……」
 「藩王様……」
 「どっちがネタとしておいしいだろうか……」
 「衛生兵ー、藩王様が目がぐるぐるしてるから、病院に運んでー」
 「なにをするー! 僕はくるってないぞー、くるってなんかいないんだー」
 
 国民も悩んだ(藩王はベッドに縛り付けられていた)。
 
 「どうする?」
 「せっかくの機体がもったいないから整備しましょう」
 
 訂正。あんまり悩まなかった。
 こうして、不可能への挑戦が始まった。
 
 「設計者の橘さんに和志さん、頑張って!」
 「整備なんて、そんな創作意欲の刺激されない行為……」
 「設計はしたが、整備なんてできないぜ!」
 「こいつら駄目だ!」
 
 設計者は使えなかった。
 
 「こうなったら、頭がよくって、手先が器用なうちの医者兼吏族たち。
  君たちに任せた!」
 「えーと、使う道具はメスに包帯でいいんでしたっけ?」
 「おまじない、おまじない……」
 「俺の筋肉とソックスに任せておけ!」
 「こいつらも駄目だ!
 「……というか、うちの吏族医師、人も国も同じ患者だって言ってたじゃないか
  なら、I=Dも同じ患者ってことで、駄目かな」
 「あんなのはったりよ!」
 「はったりかよ!」
 
 ぶっちゃけみんな使えなかった。
 もう駄目かと思った(藩王談)。
 
 「困っているようだな!」
 「泥棒猫のみんな……。エントリーされてない君たちが、なんでここに?」
 「水臭いこというなよ、国の危機、俺たちも力を貸そう!」
 「みんな……」
 
 三分経過。
 
 「じゃ、飽きたから帰るね」
 「みんな……!」
 
 こうして、僕たちの機体整備は終わった。
 あとにI=D31機の残骸を残して。

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