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botsu_444

イベント番外編 ボツ絵・ボツ文買います

444

E90白兵

 羅幻王国地下洞窟、この地下深くでも戦いが繰り広げられていた。
 
 普通の歩兵では洞窟の暗闇の中で満足に身動きも取れず、跳弾を恐れて銃器も使えずに、
 なすすべもなく死を待つばかりであったろう。
 
 しかし、akiharu国の歩兵は一味違う。闇を友とする猫妖精であり、地下の暗闇、
 狭さといった環境を武器とする略奪系考古学者なのだ。
 そしてかつては、夜を駆ける泥棒猫でもあった。もう足は洗ったが。
 
 「さて、やりますか、リバーさん」「いきましょうか、鴨瀬さん」
 
 akiharu国の2人の歩兵たちは、野生の獣のごとく襲い掛かった。
 
 「法官として判決を下す。死刑!」
 
 鴨瀬高次はソックスアイロンというソックスハンターとしてのの異名を持つ、akiharu国の法官である。
 大振りのスコップの一撃で敵をけん制し、ふところに潜り込んだ敵には扱いなれたアイロンで一撃を加える。
 赤熱したアイロンの一撃に、敵はたまらずに悲鳴を上げた。
 
 「えー、護民官としてはその判決は不適当だと思いますよ。ここは半殺しで」
 
 幼女のような見た目をしたakiharu国護民官、リバーウィンドは、鴨瀬の取りこぼした敵を確実に仕留めていった。
 小柄な体でのパワー不足を、スコップを体ごと振り回して遠心力をつけることでカバーしている。
 護民の精神はどこにいったんだろう。
 
 「狭い場所だと、銃器より接近戦だな、やっぱり」
 「レムーリアは銃器が使えないらしいし、ウィップマスターになるのもいいかもしれないですね」
 「だな。それにしても、この洞窟にはいい靴下があればいいんだが……」
 「鴨瀬さん、鴨瀬さん、風紀委員の阪さんが聞いてますよ」
 「おおっと! ……それじゃあ残った敵を仕留めるとするか」
 「ええ」
 
 akiharu国の法の象徴である2人は、法という名の暴力を武器に、戦いを再開した
 使う前に白兵部隊がミノタウロスにやられました。

E94攻撃

 「敵の数は……ひのふの、ええい面倒だ! 前方に敵沢山!」
 
 コパイの鈴木が敵の数を数え上げる。いや、適当に述べる。
 その言葉を聞いて、パイロットの444は笑みを浮かべた。
 
 「よし、名乗りを挙げるぞ!
  akiharu国摂政444! 趣味は昼寝」
 「遠からん者は音にも聞け! 近くば寄って目にも見よ!
  たまに美少年ハンターに狙われる444を!」
 「余計なこと言うなよ!」
 「事実だろうが! 美少女と交換でもらわれていってしまえ!」
 
 醜い争いを繰り広げる二人を尻目に、
 もう一人のコパイである田中がメッセージを読み上げた。
 
 「藩国の藩王様からメッセージが届いたにゃ。
  ……こ、これは、『KAMIKAZE』!」
 
 田中だけではなく、漫才をやっていた二人にも戦慄が走った。
 
 「……藩王命令だ。僕たちに死んでこいってよ」
 「よーし! お兄さん頑張っちゃうぞー!」
 「鈴木さん、君の犠牲は無駄にはしないよ! 涙だけは流してやるから、君だけ死んできてくれ」
 「って、おい! おい! 4さん、君はこの機体を敵の中枢に突っ込ませるんだ。僕は……逃げる!」
 「よーし、頑張っちゃうぞー!」
 
 そう言いながら、444は機体の脱出ボタンに手を伸ばした。
 
 「おーっと、手が思いっきり滑ったー!!」
 
 鈴木はその手を思いっきり蹴り飛ばした。
 
 「……もう、戦ってるのか漫才してるのかわけわかんないよ」
 「漫才しながら戦えばいいんだよ!」
 
 あきれ顔の田中に、444が真顔でそう答えた。
 
 「相手は戦いでわかりあうことしかできない人種!
  ならば僕たちも漫才しながら戦うことで分かり合おうじゃないか!」
 
 「444さん……」
 「お、頭いいね。だが美少年ハンターに狙われる」
 「鈴木さんは色々と台無しだな!」
 「うるせー! そもそもお前年下のくせして偉そうなんだよ!」
 「君が老け顔なだけだよ!」
 「……akiharu国の恥をわかられたくないなあ。
  あ、敵が近づいてくる」
 
 醜い争いが一段落した。
 
 「よし、攻撃だ。武器はどうする?
  ドリルと、ドリルと、ドリルがあるぞ!」
 「ドリルないよ」
 「ないのかよ! ……射撃武器ばっかりだな。ライフルと、肩にグレネード砲、ガトリング砲とバズーカがオプション」
 「チェーンソーならあるぞ」
 「チェーンソーさえあれば……!」
 「だが燃料がなくて動かない! うちの国の燃料は底をつきそうだ」
 「しけてるなあ。しょうがない、射撃戦をしかける! 照準は任せろ」
 「こっちはいつでもオーケー」
 「よし、いくぞ!」
 第三陣だったので、使う機会がありませんでした。

E94防御

 敵は黒オーマ戦士団。
 兵士の誰一人を取っても、恐れを知らず、戦技を磨いたつわものぞろい。
 そんな恐るべき相手たちが、指揮官の合図で一斉に統率の取れた動きで突撃してくる。
 
 「くそっ、撃っても撃っても止まらない。突っ込んでくる!」
 
 パイロットの444は、オーマ戦士たちを必死に銃弾でけん制する。しかし止まらない。
 
 「まともにやりあったらこっちが先にまいっちまう! 頭を使えよ、頭を!」
 「うるさい! 喋ってる間に手を動かせよ!」
 
 コパイの鈴木の叫びに叫びで応えながら、接近したオーマ戦士に、
 拳に仕込んだバルーンであるいぬだましを叩きつける。
 相手がバルーンの破裂にひるんだ隙に、腰布で吹き飛ばし、なんとか距離を取ることに成功した。
 
 「うるせー! どうせ奴らとは地力が違うんだ。使えるもんなら親でも使うんだよ!」
 「だからってさ、うわっ……!」
 
 機体に衝撃。とっさにホバーを全開で吹かせ、火器をでたらめに射撃しながら後退。
 砂漠の砂が戦闘で舞い上がり視界が悪く、命中したかどうかはわからないが、追撃はない。
 
 「意味不明すぎて笑えるな」
 「笑ってる場合かー!」
 
 444は鈴木に怒鳴り返しながらも、被害状況をチェック。
 とりあえず戦闘に問題はないが、もう2、3発ももらえばまずい。
 ……2,3発? 相手は何人いると思うんだ。
 機体のモニターに、迫り来る無数のオーマ戦士たちの姿が映し出される。
 
 「いや、これはもう笑うしかねえだろ」
 「それもそうだな。ハハハハハ」
 
 444がそう笑うと、何が気に入らなかったのか、鈴木がわめきちらした。
 
 「死ぬ! 死ぬ! 死にます! こんな狭い棺おけで男と二人! これはもう死ぬね!」
 「安心しろ、外には20万人の男でいっぱいだ!」
 「人生終わりすぎ! 打ち殺す! お前帰ったら絶対打ち殺す!!」
 
 黒オーマたちは隊列をまだ整えている。もう少し漫才をする時間はありそうだ。
 
 「1、密室で男と2人
 2、開放的な野外で男20万人と一緒! 僕たちを入れれば20万と2人だ。
 さあどっち!」
 「3、脳内の世界へと旅立つ。これどうよ!?」
 「つまりドラッグだな!
 よし、僕一人で夢の世界に旅立つよ!」
 「いや待て! お前は薬打って大丈夫かもしれないけど! 無茶な機体制動で僕の内臓はすでにぼろぼろだー!!」
 「そういえば僕も昨日お腹の調子が悪かったよ……」
 「僕もなんかわき腹が痛くてね」
 
 みんなもうボロボロか。何故か藩王様の顔が頭に浮かんだ。
 僕たちが倒れても、akiharu国は大丈夫だろうか。
 いや、鴨瀬さんとリバーさんがミノタウロスにやられて倒れた今、
 彼らが蘇生してくるまで、僕たちがしっかりしなくては。
 彼らの願いも背負っているのだ。ここで諦めるわけにはいかない。
 
 「……よし、逃げるのはもう終わりだ。この攻撃を耐えたら、反撃に撃って出るぞ」
 「お、何? 真面目モード? じゃあ後任せて寝ててもいいかい?
 昨日は20時間しか寝てないから調子が悪いんだ」
 
 そう言って笑いながらも兵装の準備をする鈴木。
 鈴木と444は古くからの付き合いだ。
 何度もの夜をともに越えてきた。越えきれずに倒れたこともあった。
 だが、このような状況では誰よりも頼もしい。
 敵オーマたちが、砂煙を挙げ、一斉に突撃を開始してきた。
 
 「よし、じゃあ僕も寝るぞ!
 ……待て、密室で男と2人で添い寝なんて冗談じゃない。お前下りろ」
 「いや、むしろお前が降りろ。そして新しいパイロットはかわいい女の子でよろしく
 むしろ生き残ったら女の子が多い藩に移ろうぜ!!」
 「そのギャルゲ主人公顔どうにかしようよ……」
 「お前もその一部お姉さんが涎出して喜びそうな外見やめようぜ」
 
 二人はそう言って笑うと、防御姿勢を取った。
 この攻撃に耐えられるかどうかなどわからなかったが、
 そんなことはもはやどうでもよかった。
 生き残り、反撃するためには耐えなければいけなかったのだから。
 第三陣だったので、使う機会がありませんでした。

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