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bouken01-1

49:究極温泉探し (第1回派遣)

参加者

レポート(作:444 挿絵:忌闇装介)

 第1032回akiharu国会議。
 今回の会議は、議題と藩国の相性の悪さから荒れていた。
 課題である、宝探しの候補地と、藩国の環境の相性がひたすら悪かったのだ。
 
 akiharu国は、密林に包まれた藩国なのに、宝探し候補地に森は0。
 他の藩国は安全を確保しつつ、十分勝算が見込めるミッションに国民を
 派遣していたが、akiharu国には、ミッションを選んでいられる余裕がなかった。
 
 以下、会議中の発言。
 
 藩王:涼原秋春の発言
 「今回の作戦が、僕たちの藩国とは相性が悪いことはわかっている。
  だからって、立ち止まるわけにはいかない!
  希望がある限り、人は崖っぷちからだって飛び出せる!」
 
 スタンディングオーベーションする人と猫たち。
 
 藩王:涼原秋春の発言
 「だから、分は悪いけど、まだ成功率のあるこの……」
 
 猫歩兵:忌闇装介の発言
 「藩王様の言葉に、心洗われました。
  死ぬときだって前のめり! 
  俺はどう考えても成功しそうもない、究極温泉探しに突っ込むぜ!
  面白そうだし」
 
 藩王:涼原秋春の発言
 「え、あ、いや、それはちょっと……」
 
 スタンディングオーベーションする人と猫たち。
 
 圧倒的多数の賛成で(その場のノリともいう)、
 忌闇装介の提案は可決された。
 第1032回akiharu国会議終了。藩王号泣。
 
 
 そして忌闇装介は旅立った。
 温泉探して東へ西へ。
 
 そして飽きた。
 「場所わかんないし。つまんねー」
 忌闇装介は、その体に流れる猫の血から、とても気分屋の男だった。
 昼寝してご飯食べて昼寝して、ゴロゴロするのにも飽きたので、また旅立った。
 
 
 忌闇装介は駆けた、人としてではなく、猫として4つの足で!
 どこへともなく、行く当てもなく、ただ温泉を探して!
 
 そして何を探しているのかを忘れた。
 忌闇装介は、その体に流れる猫の血から、とても記憶力が悪い男だった。
 
 「うーん、とりあえず、川で水遊びしてから考えよう」
 近くを流れる川で魚を取って遊び、寄ってきたワニと戦う中、忌闇装介は記憶を取り戻した。
 
 「そうか、俺にはみんなから託された使命があったんだ。
  待っていてくれ、藩王様! 国民のみんな!」
 
 そして忌闇装介は温泉を掘り出した。
 適当に、そこらへんの地面を。
 泥まみれになりながら、ただひたすらに掘った。
 今度はもう忘れることもなく、飽きて投げ出すこともなく。
 夜が明けるころ、あたりにはいくつもの穴が掘り抜かれていた。
 温泉は出なかったが、忌闇装介の瞳は輝いていた。
 
 
 以下、akiharu国会議での忌闇装介の報告。
 
 
 「温泉は見つかりませんでした。
  ですが僕は、諦めない心と、物事を忘れない記憶力を手に入れました。
  こうなることを見越して、試練を与えてくれた藩王様に、感謝と忠誠を捧げます。
  いやー、面白かった」
 
 
 スタンディングオーベーションする人と猫たち。藩王泣き笑い。そして胃薬を飲みだした。
 そうして、忌闇装介の旅はひとまず終わった。
 
 だが、戦いははじまったばかりだ!
 ちなみに、記憶力の悪さと気分屋は、会議が終わって3分で再発した。
 涼原秋春藩王の胃痛もはじまったばかりだ!

結果

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