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bouken01-3

32:失われた恋人探し (第3回派遣)

参加者

レポート(作:444)

 その日、akiharu国では、第三回目の出撃に向けた会議が行われていた。
 
 「……というわけで、僕たちは勝算がある失われた恋人探しに出撃しようと思う。
  燃料足りないし、みんな同じの選んでばっかりだとつまんない」 
 「フフフ、さすがは涼原秋春藩王よ。この一大事で面白さを取るとはな(忠誠度アップ)」
 涼原秋春藩王の言葉に、賛同を示す国民たち。あっさりと出撃が決まった。
 
 
 「よし、それでは出撃するメンバー4人の算出を」
 「藩王様、出撃条件を満たしているのが3人しかいません」
 「……え?」
 
 猫士であるオペレーターの言葉に、顎が外れそうになる秋春藩王。
 その藩王の両側に立つ、二つの人影があった。
 
 「フフフ、さすがは秋春藩王よ」
 「この一大事に、欠員ありで出撃しようだなんて。
  この程度の作戦、私たちだけで十分ってことですね(忠誠度アップ)
  あ、藩王様も出撃メンバーですので」
 
 出撃メンバーに選ばれた444と阪明日見が、涼原秋春の腕を
 両側からひっつかんで、出撃ハッチへと引きずっていった。
 忠誠と信頼溢れる拘束に、藩王号泣。
 
 
 「私も出撃したかった。しかし、藩王様と444がいない以上、執政としての勤めがある……
 (それに、風紀委員が動いている今、国を留守にするのはまずい)」
 執政鴨瀬高次、またの名をソックスアイロン、
 出撃条件を満たしていながらも、執政としての責務から国を留守にできない彼が
 藩王たちの出撃の姿を目にしていると、不意にオペレーターの悲鳴が上がった。
 
 
 「作戦の計算ミスが発覚しました。10%で破産して国が飛びます!」
 オペレーターの報告に、akiharu国の国民たちがざわめいた。
 
 戦場への足を止め、akiharu国のもう一人の執政でもある444が
 慌てて藩王に迫った
 
 「藩王様、今ならまだ間に合います!
  ここに命を賭ける価値はない、引きましょう」
 「……10%か。燃料1本のほうが重いな」
 
 藩王がぼそっとつぶやいた言葉に、場の空気が凍りついた。
 この藩王は何を言っているのだ。いや、この藩王は、さっきまでと同じ人間なのか?
 444は藩王の言葉にたじろいでいたが、阪明日見が藩王への諫言を続けた。
 
 「この作戦に命を賭ける価値はありません!」
 「まあ待て」
 「?」
 「逆境だ!」
 
 彼を運んでいた444と阪を吹き飛ばして跳躍し、空中三回転して起き上がる涼原秋春藩王。
 その姿は、今までの優男ではない。
 その目はぐるぐると大回転しており、首筋には突き立てられたアンプルが。
 
 
 「逆境が運を呼ぶんだ!
  僕たちは今まで、面白さのために奈落へと突き進んできたじゃないか」
  我が藩国は面白さ優先! ここで死んでも悔いなし!」
 「いかん、ヤクを使いおった!」
 「藩王様ご乱心! 取り押さえるんだ!」
 「フフフ、さすがは涼原秋春藩王よ……(忠誠度が上がった)」
 
 取り乱す国民、取り押さえようとする国民、忠誠度が上がった国民を、
 ドラッガーとしての超感覚でことごとく回避し、涼原秋春藩王は戦場に向けて
 ゆっくりと歩を進めた。
 どうでもいいが、藩王様の台詞はほとんど全部リアル発言である。
 目がぐるぐるしすぎだ。うちの国は大丈夫なのか!?
 
 
 「Don't think. Feel. さあ、出撃だ!」
 「……どうやら、僕たちが臆病だったようですね。
  これこそ、血沸き猫踊るというもの」
 「面白くなってきました。あ、危険手当は割り増しで」
 
 こうして、目がグルグルになった3人は出撃した。そして勝った。

結果

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