その日、akiharu国では、第三回目の出撃に向けた会議が行われていた。
「……というわけで、僕たちは勝算がある失われた恋人探しに出撃しようと思う。
燃料足りないし、みんな同じの選んでばっかりだとつまんない」
「フフフ、さすがは涼原秋春藩王よ。この一大事で面白さを取るとはな(忠誠度アップ)」
涼原秋春藩王の言葉に、賛同を示す国民たち。あっさりと出撃が決まった。
「よし、それでは出撃するメンバー4人の算出を」
「藩王様、出撃条件を満たしているのが3人しかいません」
「……え?」
猫士であるオペレーターの言葉に、顎が外れそうになる秋春藩王。
その藩王の両側に立つ、二つの人影があった。
「フフフ、さすがは秋春藩王よ」
「この一大事に、欠員ありで出撃しようだなんて。
この程度の作戦、私たちだけで十分ってことですね(忠誠度アップ)
あ、藩王様も出撃メンバーですので」
出撃メンバーに選ばれた444と阪明日見が、涼原秋春の腕を
両側からひっつかんで、出撃ハッチへと引きずっていった。
忠誠と信頼溢れる拘束に、藩王号泣。
「私も出撃したかった。しかし、藩王様と444がいない以上、執政としての勤めがある……
(それに、風紀委員が動いている今、国を留守にするのはまずい)」
執政鴨瀬高次、またの名をソックスアイロン、
出撃条件を満たしていながらも、執政としての責務から国を留守にできない彼が
藩王たちの出撃の姿を目にしていると、不意にオペレーターの悲鳴が上がった。
「作戦の計算ミスが発覚しました。10%で破産して国が飛びます!」
オペレーターの報告に、akiharu国の国民たちがざわめいた。
戦場への足を止め、akiharu国のもう一人の執政でもある444が
慌てて藩王に迫った
「藩王様、今ならまだ間に合います!
ここに命を賭ける価値はない、引きましょう」
「……10%か。燃料1本のほうが重いな」
藩王がぼそっとつぶやいた言葉に、場の空気が凍りついた。
この藩王は何を言っているのだ。いや、この藩王は、さっきまでと同じ人間なのか?
444は藩王の言葉にたじろいでいたが、阪明日見が藩王への諫言を続けた。
「この作戦に命を賭ける価値はありません!」
「まあ待て」
「?」
「逆境だ!」
彼を運んでいた444と阪を吹き飛ばして跳躍し、空中三回転して起き上がる涼原秋春藩王。
その姿は、今までの優男ではない。
その目はぐるぐると大回転しており、首筋には突き立てられたアンプルが。
「逆境が運を呼ぶんだ!
僕たちは今まで、面白さのために奈落へと突き進んできたじゃないか」
我が藩国は面白さ優先! ここで死んでも悔いなし!」
「いかん、ヤクを使いおった!」
「藩王様ご乱心! 取り押さえるんだ!」
「フフフ、さすがは涼原秋春藩王よ……(忠誠度が上がった)」
取り乱す国民、取り押さえようとする国民、忠誠度が上がった国民を、
ドラッガーとしての超感覚でことごとく回避し、涼原秋春藩王は戦場に向けて
ゆっくりと歩を進めた。
どうでもいいが、藩王様の台詞はほとんど全部リアル発言である。
目がぐるぐるしすぎだ。うちの国は大丈夫なのか!?
「Don't think. Feel. さあ、出撃だ!」
「……どうやら、僕たちが臆病だったようですね。
これこそ、血沸き猫踊るというもの」
「面白くなってきました。あ、危険手当は割り増しで」
こうして、目がグルグルになった3人は出撃した。そして勝った。
- 成功 :得たお宝: E 24燃料14万t :ユニークな結果:なし
- コメント:恋人は見つかりませんでしたが油田は見つかりました。