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政庁会議室。
国民会議
次のアイドレスをどうするか、だ。カマキリに※ADは使いたいとして……
藩王様、提案があります!
どうしたんだい、天狐さん
東西天狐、紹介
「遊園地を取りましょう!」
「遊園地? うーん、資金と娯楽が入るか。 でも資金はうちの国、みんな働き者だからどうにかなるし、 娯楽は南国人だから欲しいけど、収入少なめだしなあ……」
「火焔と遊園地で遊びたいから、遊園地を取りましょう!」
「おい」
「取りましょう!」
後になって、藩王は述べている。あのとき天狐さんから
窓の外の密林に眼をやった。
南国であるakiharu国は、それはもう木々に囲まれた国である。密林である、ジャングルである。国民たった2人で立国した藩王が力尽きて、もう開発はこんなもんでいいや、と妥協したともいう。そのため、ターン1の冒険イベントで舞台に森が出てこないで泣いたともいう。
ターン1の食糧生産地開発イベントでも、国力が足らずに開発できずにいたため、密林はほぼ手付かずのまま残っていた。
ホバーの風が噴き出す音と、エンジンの駆動音があたりに響き渡る。
akiharu国産共通I=Dターキッシュバン。その機体にはこんなときのために、チェーンソーが装備として採用されていた。
「それじゃあ天狐さん、いくっスよ!」「OK!」
ターキッシュバンは一人では動かせない。
熱い魂を持つ男、和志
「こんなに切っちゃっていいんですか?」「まあ、木材として国外に輸出して、にゃんにゃんに変えるよ。 資源としても使えるしね」
チェーンソーで手近にあった大木に斬りつける。
「よし、いい感じに斬れてる」「この調子っスね!」「……待ってください、これは!」
これまでチェーンソーの前に切断されるだけであった木の手ごたえが、急に変わった。
「刃が通らない!?」「相手の装甲が上がっています、これは……学生の学習行為!」
「藩王様、これは!?」「……人ですらない木々といえ、akiharu国産。 僕たちのイグドラシルの影響を受けているということか」「そんなてきとーな!」
「ふふふ……面白くなってきた。 和志さん、田中さん、いきますよ!」「わかったっス!」「僕たちならできますよ!」
akiharu国のコパイは鞭の達人にして白兵重視、白兵向きではないターキッシュバンといえど、この乗り手たちならば!
「あ、木が鞭の達人ラーニングした」「ターキッシュバン、ぐるぐるまきですねえ」「あ、ほうりなげられた。よく飛んだなあ」「藩王様、4さん。解説してないで」
くるくると吹っ飛ばされたターキッシュバン
心配してか、駆け寄る人影があった。
「天狐さん、いまの吹っ飛ぶ姿、すごくいい絵が描けたよ。 いやあ、創作意欲が刺激されるなあ!」「心配したんじゃないんですか!」
技族の橘が、すごくいい顔で眼鏡を光らせ、スケッチブックを広げて見せた。
「とりあえず、ドラッグを決めたら万事うまくいった気分になれるよ!」「藩王様は黙っててください」