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共和国共通新型I=Dの開発(HQB再申請ver)

執筆者:444&鴨瀬高次&田中申

 “うちは人口も資金も少ないのに、なんでまた共和国全体の新型機開発なんて。こういうのは大国の仕事では?”
 “小笠原侵攻を考えると、水上戦闘能力が必要だな”
 ──人の話を聞かない藩王の様子
 
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 藩国内物語背景:
 他国の爆発騒ぎはどこ吹く風、小笠原侵攻にこだわる藩王はホバー歩行を可能とする水陸両用I=D開発に着手した

機体イラスト

正式プラン CodeName : Turkish Van -Swimming Cat-

脚部ギミック&背面設定

ホバーシステム

 エンジン:左右計4機搭載
 浮上ファン:左右計6機
 推進ファン:左右計2機
 
 ホバーシステム仕様
 
 本ホバーシステムは、空気を下方・推進方向に噴射する事により、表面から30cmほど浮上する。
 これにより海上・陸上での低摩擦高速移動可能となる。
 吸気ファンには粉塵マスクが備え付けられており、陸上での運用を可能とした。
 浮上/推進用エンジン・フィンガースカート・吸気/排気ファン・浮力タンクを脚部に装備している為、
 従来のアメショーよりもずんぐり足になっている。
 
 1.ツインエンジンシステム
 推進用と浮上用のエンジンを別系統にすることで、高速移動が可能となった。
 陸上・海上での運用、最大時速200kmを超えるが、
 実戦では人型兵器という形状とパイロットの反射神経から150km/h程度が限界とされていた。
 なお付属のカタパルトを使用すれば、単純直線移動にて時速500km/hで運用可能である。
 
 2.スカートシステム
 本スカートシステムではフィンガースカートが採用されている。
 フィンガースカートはバッグスカートに比べて、復元性が劣っている。
 しかし、それぞれのフィンガーが互いに独立しているので、地面または水面との追従性は良好であり、
 一つのフィンガーが破損しても、その隣同士が密着するのでそのまま航走でき、磨耗した部分だけを交換できる為、整備性に優れる。
 また、水上から発進する場合、発進初期の造波抵抗はバッグスカートに比べて小さくて済む。 
 波浪中の乗り心地は、バッグスカートに比べて良好である。
 これらスカートは装甲で覆われている為、通常のホバークラフトに見られる艇体の脆弱性は軽減されている。
 
 3.浮力タンク
 海面でエンジン故障やスカートが全て破損した場合に備え、脚部には浮力タンクが内蔵されている。
 腕部に備え付けられているいぬだましと併用して使用する事により仰向けで海中を漂う事が出来る。

試作プラン

※正式プランは試作4案の融和により設計されている

開発経緯

 機体はakiharu国の誇る4人の技師によるコンペンションで選考が行われた。
 
 ・ホバーによる高機動力を持つ橘案
 ・センサーの密集した頭部と、脚部を船形態に変形できる忌闇装介案
 ・ワイヤーによるトリッキーなアクションがうりの和志案
 ・ホバーを仕込んだ巨大な脚部と、肩から腕にアメショーのパーツを流用し、
  量産機として量産性を高めた藩王案
 
 これらの中から選ばれたのが橘案である。
 他の技師のアイデアも取り入れられた。

機体運用

 当機の設計コンセプトは二つ。
 一つは、小笠原での戦闘を想定した海上戦闘。
 もう一つは、対アラダ戦闘である。
 
 海上戦闘については、ホバーによる水上移動をその解答とした。
 ホバー移動は、本来の想定地形である海上移動だけでなく、
 南国での渡河、西国での砂漠地帯で砂に足を取られることのないスムーズな移動、
 北国での雪上移動など、悪環境での安定移動を可能とした。
 防水構造のため、砂漠での防塵性能も高い。
 付属武器である神殺により、森林を切り開きながらの進撃ルート構築や、
 陣地構築も考慮されている。
 段差などの障害物を越える場合は、一時的にホバーの出力を高め、
 ジャンプして乗り越える。
 
 また、ホバーは、既存のアメショーの二足歩行より、格段に高速の移動を可能としている。
 
 
 一方で、ホバーによる移動は騒音を発するために、隠密行動は
 ほぼ不可能となっている。
 だが、巨大ロボットであるI=Dによる隠密作戦は元より現実性が
 薄かったために、設計時には大きな問題にはならなかった。
 
 
 対アラダについては、設計中に各国での交戦情報が続々と入ってきたため、
 それらの戦闘データが参考にされた。
 
 アラダは、高い根源力を持つ者以外は直視することもできず、
 アラダと戦う資格を持つものはどの国でもわずか一握りであった。
 だが、アラダとの戦闘データから、アラダを目視さえしなければ戦闘可能であるとの事実が発見された。
 このことから開発されたのがデータリンクシステムである。
 
 データリンクシステムは、機体が入手した敵の情報を同機種に送り、
 機体のFCSと連動して確実な照準を可能とするシステムである。
 
 
 アラダを目視可能な高根源力パイロット搭乗のI=Dが敵アラダをターゲッティングし、データを入手、他I=Dに送信。
 他I=Dはアラダを目視しないように光学センサーを切り、データを元に追従射撃を行うといった運用を想定している。

水中での運用

 水中での運用は、ターキッシュバンの兵装搭載力や航続力の関係から、
 特殊潜航艇に近いものになる思われる。
 ホバー推進に用いられるファンは、水中ではスクリュー・プロペラとして機能するようになっている。
 ただし、このスクリューには、スキュードプロペラのようなキャビテーション対策はほとんど施されていない。
 ゆえに、水圧の低い浅いところでは、圧力の変化が小さくなるよう、スクリューの回転速度を落として運用するよう定められている。
 もっとも、スクリューの強度には、マグロの成魚が飛び込んでも、機能的に問題ない程度の丈夫さを持っているため、
 すでに敵に発見されている場合などには、キャビテーションを起こすような運用も選択肢に入れてもよいと考えられる。
 
 なお、脚部にある程度の自由度があるため、専用の横舵や潜舵は装備されていない。
 しいていえば、腰部にあるスカート状のアーマーがそれに当たる。

機体概要

装甲

 装甲は当初、潜水深度を高めるため、金属系の材料で作られる予定であった。
 しかし、耐熱性に優れるイリジウムやモリブデンなどは重く、推進器付近に使用を限定しても、
 かなりの重量になり、これはホバーによる水上戦闘を視野に入れたこの機体には不適当であった。
 また、マグネシムのような軽い金属を使った合金、ハニカム構造やリストレーション加工、傾斜機能材料も考慮に入れられたが、
 技術的難易度の高さから製造設備はかなり大きくなることが予想され、製造コスト的にも量産に適していないことが分かった。
 このような経緯で、装甲素材はジルコニアを主としたセラミックス複合材料を採用することになった。
 ジルコニアは希土類酸化物を添加すると、ひびわれた際、亀裂の進展を結晶構造を変えることで防ぐという特性が現れる。
 この性質を利用したターキッシュバンの装甲は、平均抗折強度約3000メガパスカルを誇る。
 また、金属より軽く、錆びる心配もない。
 構造は生産性を挙げるため、単殻式の耐圧構造にしている。
 装甲内部には圧電セラミックスによる超音波センサーを内蔵している。
 このセンサーがアコースティック・エミッションを感知することで装甲の損害を正確に把握することができる。
 なお、アコースティック・エミッションとは、材料が変形や破壊するときに生じる音波や振動のことである。

センサー

 制式量産されたターキッシュバンのシルエットは、試作プランの橘案と比べ、
 後頭部の形状が変化しているが、これはアンテナの機能を増強したためである。
 このアンテナは、中波からサブミリ波までの電波を受信できるパッシブセンサーであり、ラジオやテレビを見ることもできる。
 テレビは、にゃんにゃん共和国内で使われている伝送方式ほぼ全てに対応している。
 三角測量や無線通信もでき、後述するセンサーから得たデータを僚機と共有したり、
 相互に補完して分解能を高めることも可能である。
 むろん、敵機から誤情報を送られないよう、幾重にもわたる防御策が施されている。
 
 また、これとは別に、数ギガのビットレートを持つ光無線通信も利用できる。
 光源は頭部にある緑の卵型の部分で、ここから赤外線や可視光線のレーザーを発信する。
 光は秒速30万キロメートルと極めて速く、偏光や位相、波長、強度などを利用して情報を伝えることができる。
 また、光は電波と比較した場合、異なる波長でも非干渉であるため、
 混信の心配がなく、多くのデータを並列して送ることができる。
 ただし、電波と比べ、妨害を受けやすいため、実用的には近距離での使用に限定される。
 
 頭部の鉢金状のパーツには液体窒素が入っている。
 この液体窒素は二つの意味がある。
 ひとつは高熱を発するレーザー発信機を冷却するため、
 もうひとつは、光学センサーを冷やすためである。
 頭部の光学センサーにはCCDイメージセンサーを使用している。
 このCCDはインターライン型を使っており、冷却によってゼーベック効果を防いでいる。
 そのため、長時間の露光が可能となっており、暗所での活動はアメショーより有利である。
 さらに、遠赤外線領域を検知するサーモグラフィーも装備されており、
 熱紋照合ができるようになっている。
 サーモグラフィーはその構造上、機械の温度よりも低音のものは感知できないが、
 液体窒素による冷却でその欠点を補っている。
 
 手のひら部分にある丸はCCDを保護するシャッターである。
 掌部CCDは、減色法による原色分解を行うことで、カラー画像を撮影している。
 これは頭部のCCDも同じである。
 ただし、インターライン型の頭部のものとは異なり、
 掌部はフルフレーム型を採用しているため、動画撮影には向いていない。
 
 こうして得られた画像は、腰部にある電子ペーパーに投影することができる。
 これは、和志案のふんどし国旗から着想を得て、実装された。
 解像度はそれほど高くないが、その分、丈夫に作られている。
 
 ホバー推進による騒音を考慮してか、音波センサーはアメショーと同程度の感度しかない。
 ただし、それは地上に限った話であり、水中では前述したアコースティック・エミッションを感知するセンサーを
 パッシプ・ソナーとして使うことで、周囲の障害物を知ることができる。
 
 これらから一見、索敵能力が高いように思われるが、CPUやOSがセンサーから送られる情報を処理しきれないこともあるため、
 実質的な索敵能力はアメショーと大きく変わらない。
 また、複雑化によって整備性も悪くなっている(イベント60ではアメショーを含む計31機が全損した)。

駆動系

 関節などの駆動系にはサブサンプション・アーキティクチャーを採用している。
 これは制御機構を分散させ、冗長性を増すことにより、一部分に異常が起きても全体として正常に動くようにしたシステムである。
 また、サブサンプションは優れた拡張性を持ち、既存の機体と比べ、ハードウェアレベルでの新機能の追加も容易である。
 サブサンプション採用には、テスト段階における事故の多さが背景にある。
 不安定な二足立位の状態でホバー推進するため、試作機の稼動実験のたびに転倒したのだ。
 もちろん、これだけ大きな機体が転倒すれば、内部のコンピューターも大きなダメージを受ける。
 特に当機は、センサーから送られる大量の情報やデータリンク妨害対策としてのECCM、通信の暗号・復号化などで
 膨大な負荷がかかっているため、統合して一括処理すると、OSが複雑になりすぎてしまう。
 そこで、関節の駆動制御を行う演算装置を各部に分散させることにした。
 個々の部位では単純な処理を行っているだけなので、各CPUの性能がそれほど高くなくても問題にならない。
 むしろ、極短時間で有効な反射運動が行うことができるほどである。
 これは、人間でいうところの脳である、メインCPUを介さずに脊髄反射のように、担当部位のセンサーとCPUのみで判断しているためである。
 これにより、本来なら熟練したパイロットが必要な高速戦闘時の姿勢制御もほぼ自動化を成しとげた。
 また、その結果、新兵の育成および機種転換訓練の短期化にも成功した。
 ただし、ZMP(ゼロ・モーメント・ポイント)制御に関するプログラムが変更されたため、
 アメショーができた静歩行と準動歩行、および第一から第五までの匍匐前進ができなくなった。
 ただし、基本的にターキッシュバンはホバー推進で移動するので、
 隠密行動など静音性が求められる場面以外では、歩くことはないと思われる。
 
 駆動源には、整流子のない埋込構造永久磁石同期電動機を使用している。
 このタイプのモーターは、リラクタンストルクを利用でき、また、整流子がないため、寿命が長い。

コックピット

 メインパイロットは、腹部にある灰色の球体に搭乗する。
 この部分は機体の旋回によるG(加速度)を緩和するように回転するようになっている。
 コパイは、胸部の白いネクタイに見える箇所に搭乗する。
 内部は、居住性を配慮し、アメショーより広くなっている。

武装セット

 『腕部装着式近接両断兵器“神殺”』
 熟練の職人の手で作られた自動式の鋸。
 いわゆるチェーンソーである。
 難加工性だが、高融点、高硬度で、熱伝導性に優れるホウ化タングステンをチェーンに使用している。
 また、防振機構に制振合金を組み込れており、騒音は予想以上に小さい。
 水中でも動作するよう、内臓したバッテリーから動力を得ている。
 その構造上、マニピュレーターの規格が合えば、アメショーやうささんなどの機体でも装備することができる。
 トモエリバーのソードと比べ、パイロットに要求される技能水準は低く、それほどの技量がなくても対象に有効なダメージを与えられる。
 ただし、白兵武器としての使用頻度が少ないことから、あまり多く量産されていない。
 どちらかといえば、森林伐採による進撃ルート確保、あるいは陣地構築に使われている。
 なお、設計した涼原秋春藩王は以下のような発言を残している。
 
 「これさえあればゾンビだろうが神だろうが……そう、オーマだってばらばらにできるんだ!
  だってチェーンソーだぞ!」

作:涼原秋春

 『複合型ライフル』
 12.7mm弾を発射するライフル。
 弾薬は通常弾、曳光弾、模擬弾が用意されている。
 アメショーの7.62mm機関銃と比較し、威力は高いが、弾のサイズが大きいため、携帯弾数は減少している。
 また、上部の銃口からは25mm炸裂弾を発射できる。
 このランチャーによって発射されるグレネードは高速で飛翔し、水平方向への射撃も戦術的に有効である。
 また、弾道予測に機体CPUの処理を増やさないため、高性能の射撃管制システムを備えており、ライフルのFCSだけでも高い命中率を期待できる。
 機構は複雑で、整備性も高いとはいえないが、小笠原や広島でも使用できるよう、設計開発されている。
 『大口径無反動砲』
 「デイビスの平衡砲弾の原理」を利用し、発射時の反動を相殺した、口径120mmのI=D携帯用火器。
 硬質プラスチックをカウンターウェイトとした質量式であるため、
 ガス式のようなバックブラストの危険性はない。
 装弾数は一発。
 成型炸薬を三段構えにしたタンデム弾頭のHEAT弾であり、リアクティブ・アーマーに対しても高い効果がある。
 発射姿勢の関係から、後述する肩部装着式六連榴弾砲と干渉するため、同時に使用することはできない。

作:忌闇装介

 『狙撃用自動砲』
 マズルブレーキのない滑腔砲。
 APFSDS弾を使用することにより、傾斜装甲に実装された避弾経始をほぼ完全に無効化する。
 弾体にはタンタル合金を用いている。
 射程が長く、貫通力に優れるが、反動を抑えるため、銃本体の質量は非常に大きくなっている。
 ちなみに砲の口径と装弾筒の直径は76mmである。

作:忌闇装介

 『肩部装着式六連榴弾砲』
 その名のとおり、肩に装着される六連砲。
 40mmの榴弾を連続で投射できるため、面制圧において効果的である。
 また、弾頭や砲身の構造も比較的簡素であるため、整備性も悪くない。
 ただし、発射角度の関係から使用時に腕の動きが制限される。
 特に間接射撃の際、顕著である。
 発射姿勢の関係から、前述した大口径無反動砲と干渉するため、同時に使用することはできない。
 『携行型35mm機関砲』
 アメショーの主力兵器として開発された35mm機関砲と共通規格の弾丸を使う機関砲。
 アメショーのオプションである増加弾倉システムの欠点、装弾不良の問題を改善している。
 また、発射機構の見直しにより、若干ではあるが、連射速度は向上している。

作:忌闇装介(上)/和志(下)

 『大口径特殊弾頭発射大筒“大花火”』
 にゃんにゃん共和国のパイロテクニクス(火工術)の粋を集めて製造された迫撃砲。
 大部分が植物由来の素材でできている。
 そのため、重量は人間が携帯できるほど軽く、I=Dが持つ場合も片手で充分保持できる。
 口径は内径交換で各種対応可能である。
 照明弾や信号弾、煙幕弾を発射できるほか、魚雷発射管としての使用できる。
 通常弾頭の曲射にも使われる。
 ちなみに大花火の直径は二尺(約60cm)もないが、特製の玉を使うことで、
 直径500m近く、つまり、二尺玉と同じくらい星が飛散する打ち上げ花火を上げることができる。

作:和志

 『グローブ型バルーン射出装置「いぬだまし」』
 拳に強い衝撃が加わることで作動するバルーン射出装置。
 ターキッシュバンは射撃型の機体であり、接近戦には不向きである。
 敵に格闘戦を仕掛けられた場合、このいぬだましで不意を撃ち、
 相手を驚かせた隙に距離を取る、などといった用途が考えられた。
 搭載スペースの関係上、一回かぎりの使い捨てとなっている。