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seisaku100902

共和国技術安全規定の批准について

リソース消費

 政策周知のために、資金5億を消費してチラシを配布します。
 02:akiharu国:資金-5
 根拠は以下のURLです

http://cwtg.jp/qabbs/bbs2.cgi?action=article&id=13064

はじめに

 なんとか復興の兆しが見えてきたakiharu国。
 もともとライフサイエンス盛んなこの国では特に重要である、という読みと、
 そもそも3行にまとまらないよという理由から、この政策は青空教室形式で発布されることとなった。

政策要点

 以下の共和国技術安全規定を批准します。
 1:知類に含まれる生体を部品としての組み込みの禁止
 2:兵器・研究目的での自己学習についての研究 
 3:兵器・研究目的での自己増殖についての研究の禁止 
 4:敵性兵器等の異文化技術の民間での研究の禁止
 1付則:クローン技術をつかった出産に関しては医師の診断書などを必要とする認可制とする
     akiharu国では対象となる国民が多くなるため、政庁の審査認定スタッフを大幅増員して対応する
 藩王 涼原秋春
 摂政 444

講義風景

その1:知類に含まれる生体を部品としての組み込みの禁止と、クローン技術を応用した出産の認可制

 ここは壊滅前に政庁があった付近の広場。今日は特別教室があるとのことで、人間・猫・カマキリ、ついでに意識を持ったメカも観覧に参加していた。
 演台に立った藩王涼原秋春は、最初の項目を読み上げた。
 
 「その1。知類に含まれる生体を部品として機械やそれに近いものに組み込む事を禁止します」
 
 きょとんとする観衆。一部ではえー、という声も聞こえる。
 しばらくして、代表して1人のカマキリが挙手し、質問した。
 
 「陛下。それではサイボーグ知類に問題が出るのでは。また、医療面でも問題が出ると考えられます」
 
 王はうなずくと、返答する。
 
 「そうだね。条文だけだとそういうことになってしまう。でもこれが禁止するのはそういった用途ではないんだ。
  この国が一時期壊滅していた間、ニューワールドでは人間を拉致し、兵器の演算装置に使うという犯罪が横行していた。
  このとき、演算装置となった人間の意識は外に出ることはなく、一方的に利用されることとなってしまう。
  また、部品にされた人間はひどい苦しみを与えられるという説もある。こういう事を許せるかい?」
 
 聴衆からはなんてひどい、許せないぞ、ヒーロー出撃だ、などと声が上がる。皆が落ち着くのを待って、王は続ける。
 
 「もちろん、まだヒトになっていないクローンの脳を使うことを考えた技術者もいた。
  これは人間ではないから大丈夫だろう、という論法だね。
  でもうちの国ではT12の昔からクローン人の権利も認めているよね?
  だから、当然のようにこれもだめだ。
  本人の意志のもとにパワーアップをするならともかく、本人の意志が消えてしまうのは現行法でも禁止している通り。
  そもそもあらゆるものに生命性を認める我が国で、生命を部品扱いすることは許すわけにいかない。
  この条文はそれを禁止するものだ。サイバー化などの手術や、医療施術に関しては今まで通りとする」
 
 ふーむ、と思案顔の国民達に向けて、更に付け加える。
 
 「更に付け加えると、他国ではクローン出産を悪用した犯罪の例が報告されている。
  これを受けて、クローン技術を使った出産は医師の診断書などを要する認可制とする。
  ただ、うちの国ではそれに頼らざるを得ない世帯が多いから、藩王の直接認可制では手が足りなくなってしまう。
  だから、政庁の出生申請審査スタッフを大幅増員する方向でこれに対応する予定だ。
  akiharu国に生まれる子供達の健やかな成長のため、みんな協力して欲しい」
 
 その言葉に対して、おー! と国民達は歓声を上げたのだった。
 
 

その2&3:兵器・研究目的での自己学習・自己増殖についての研究の禁止

 
 「次ー。兵器・研究目的で自己学習と自己増殖を研究するのも禁止します」
 
 えー。とまたもや不満の声。
 他国ではこの文言の理由を『マンイーター再来を防ぐため』としているが、
 よりによってこの国の民はマンイーターを改良してしまおうとした前科があった。
 ただ、akiharu国では別の理由で、これを禁じることとした。
 
 「なあ。状況を学習したり、自己増殖するものって、それ生き物じゃないか。少なくともうちの国ではそうだよね?」
 
 うなずく国民たち。
 
 「じゃあほら、生き物を最初から兵器にする目的で研究したらダメじゃないか」
 
 あー。なるほど? という反応。
 
 「まあ! そういうことなんだよ! クローン人を兵器パーツにしちゃいけないのと同様に、
  生き物系メカを兵器にしちゃいけないだろ!」
 
 割と勢いで押す藩王であった。
 
 

その4:敵性兵器等の異文化技術の民間での研究の禁止

 
 「最後に。敵性兵器等の異文化技術を民間で研究することを禁止します」
 
 聴衆がざわめいた。この国の民は好奇心の塊であり、
 そこにテクノロジーが有れば発展させずにはいられないという前歴があった。
 
 「まあ待つんだ。そもそも敵性兵器がどういう代物か君たちはわかっているだろうか」
 
 声を大きく。言い聞かせるように。
 
 「ゴートホーンと呼ばれる機動兵器は誘拐したドラゴンに人間を喰わせ、悪の改造手術を施し、人間の脳を埋め込んだものだ。
  かつて、士季号が悪の改造手術によって変異させられていたシープホーンの後継機に当たる。
  君らはそういうものを作りたいのかい?」
 
 再びカマキリの研究者が鎌を挙げた。この種族は技術の申し子とも言える存在であるため、
 技術というものが世界を善くすることが出来ると信じて疑わない傾向にある。
 「お言葉ですが陛下。研究することで、悪しき兵器への対処法を探すことも大事なのではないでしょうか」
 
 だが王は首を横に振る。
 
 「怪物と戦うために自ら怪物になっても仕方ないだろう。
  向こうが悪しき技術を使ってくるのならば、
  我々はそれを使わず、別の方法論で打倒する事を目指すべきではないかな? ヒーロー的に考えて。
  それが納得できないとしても、そもそもそういう目的ならば民間に転用することはできないよね?
  条文で禁じているのは民間研究だから、政府主導のもとに対策法を考えていくことは問題ないよ」
 
 一息。最後にもう一つ、伝えたいことがあった。
 
 「あと、みんなに覚えておいて欲しいことがある。
  ニューワールドへの侵略者は、どれもこれも世界の破壊を目標にしている、あるいは世界崩壊を何ら気にしていない。
  つまり、連中が使っているものは、ハイスペックの代償として、
  ただそこにあるだけで世界を蝕むようなものばっかりなんだ。
  たとえ僕らが戦闘で勝っても、長期的に見て世界が蝕まれてしまえば僕らの負けだ。
  そして、敵性兵器のコピーを作ろうとしたりするのは、この意味で敵の思う壺なんだよ。
  まんまとそれに乗せられてしまうのは、面白くないと思わない?」