1:NACのトレーサビリティ強化アイテムセット(以下トレーサビリティセットとする)の使用について、
ヒーローショー形式でわかりやすく国民に公示する。
2:トレーサビリティセットの使用者について、ヒーローショーを通じて募集する
3:トレーサビリティセットの操作者については、希望者の中からレディや岩崎、他藩国運営スタッフの人選で、
飽きっぽくなく、巨大すぎず、操作が実際にできることを最低条件とした適切なメンバーが選ばれる。
4:藩王に実際に説明させることで、政策に説得力をつける。
akiharu国政策ヒーローショー。
それは、政策を変身ヒーローたちがわかりやすくヒーローショーの形で紹介する、
他の国では類を見ない政策掲示方法である。
人間や猫たちはショーを見やすいように観客席の前列に並び、
巨大なカマキリたちは後列に並び、今か今かとショーの始まりを待っていた。
「やあみんな、お待たせしたね。ヒーローショーの時間だよ!」
ヒーロースーツに身を包んだ藩王が、観客の拍手とともに登場する。
「みんな、最初に謝らなきゃいけないんだけど、今日のヒーローショーは悪との戦いじゃないんだ。
だけどそのかわり、今日はみんなにすごいメカを紹介するぞ。トレーサビリティセットーーー!」
てーれってれー、という効果音とともに、トレーサビリティセットで使われるロボットが、アシスタントのカマキリによって運ばれてきた。
観客のわーという歓声が辺りに響く。
なお、付属品である培養器や検査試薬は持ってこなかった。むしろ持ってくると洗浄が大変なので持ってこられなかった。
「このメカは、みんなの大切なご飯を調べて、危なくないか検査するものなんだ。
痛んでたり、毒が入ってたりするご飯を食べると、おなかを壊しちゃうからね!」
ヒーロー姿の藩王の説明が続く。
「僕は体が強いから平気だと思ってる、カマキリのみんなもいるだろうけど、
ご飯に変なものが入っていると、おいしくなくなってしまうんだ。それはよくないよね!」
おー、と観客のカマキリたちの納得する声がした。
「お野菜やお肉を作ってる農家の人たちだって、汗水たらしてせっかく作った食べ物は、
みんなにおいしく食べてもらいたいんだ。だから、危なくなった食材を見つけたら、
農家の人に教えてあげるためにもトレーサビリティセットはあるんだよ」
「じゃあみんな、ここで映像を使って、トレーサビリティセットが実際に動く場面を見てみよう!」
アシスタントカマキリがヒーローショー用のプロジェクターとスクリーンを持ってくる。
プロジェクターが動き出すと、朝のNHK教育TVのノリで、トレーサビリティセットの動く姿が!
食い入るように見つめる国民たち。
「さあみんな、トレーサビリティセットがどんなものかわかったかな。ここでみんなにお知らせだよ!
今、トレーサビリティセットを動かして、食べ物を検査する人を募集してるんだ。
みんなのご飯を守る大事な仕事だよ。やりたい人は手を挙げてね!」
国民たちの手が上がる。
もちろん、難しそうな機械の操作に興味のない国民もいたが、
なんだか面白そうな機械をとにかくいじってみたかったのだ!
この国民たちの中から、本当に適正のある人材は少ないだろう。
だが、うちの藩国運営スタッフなら、この中から飽きっぽくなく、作業に適した人材を
発掘できるに違いない。
そう思いながら藩王は、岩崎とレディ他、藩国スタッフに無茶振りをするのであった。
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ヒーローショー脚本:摂政 444
出演・認可:藩王 涼原秋春