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seisaku62218002

政府ヒーローショー62218002

目的:

 1、黒オーマは敵ではないことを知らせる。
 2、真の敵はセプテントリオンであることを知らせる。
 3、akiharu国にもセプが巣くっているんだよ! と知らせることで国内のセプと闘わせる。
 4、国民の雇った無名騎士藩国の傭兵を止めさせようとする。
 5、お前の正義は一体なにか言ってみろ! と問いかける
 6:個々で動くとまた扇動、分断されるので、リーダーとしてレディを頼らせる
 7:変身ヒーローとして編成されたakiharu国藩王と摂政がショーに参加して政策内容を呼びかけることで、国民をより動かす。
 8:ヒーロー協会未認可のヒーローを信用しないように言うことで、敵によるヒーローショー攻撃に対抗する。

本文:

 人もカマキリも共に見ることができる、座席などに配慮された
 巨大なヒーローショー用のステージ。
 
 ヒーローショーに集まったお祭り好きの国民に、
 周囲にはめざとく集まった屋台やビール売り。
 
 ヒーローショー開始前で高まるテンションの中、
 ステージの上に一人の男が表れた。
 ヒーロー協会所属の司会ヒーロー、司会マンである。
 司会マンは、変身することでマイク内蔵スーツに身を包み、万能の司会っぷりを発揮するのだ!
 司会マンは、観客たちに向かって、声を上げた。
 
 「みんな、今日は集まってくれてありがとーーー!」
 
 その声に、人とカマキリの返答が爆音となって応えた。
 
 「みんなは今回出撃しなかったけど、もしヒーローのみんなが無名騎士藩国に
  出撃してたらどうなっていたかを、ヒーローショーでやってみようと思うんだ。
  みんな、応援してね!」
 
 観衆の拍手(カマキリって拍手どうするんだろう……)に応え、舞台の幕が上がる。
 荒廃した無名騎士藩国を模したセットの中、剣と鎧姿の黒オーマ役の男と、ヒーローたち、
 そして国では秘密兵器として登場した、シープホーンが対峙していた。
 
 「……くらえ、黒オーマ、ヒーローパーーーーンチ!!」
 「なんの、これしき!」
 
 ヒーローたちと黒オーマが殺陣を繰り広げる。息をのむ観客たち。
 そして、戦いの中、ヒーローの一撃を受け動きを止めた黒オーマに、
 決定的な一撃が迫る。
 
 「とどめだ、シープホーンクラーーーッシュ!!」
 「ぐふっ、見事だ……!」
 
 倒れる黒オーマ。かけよるヒーローたち。
 
 「黒オーマ、かつて共に戦ったあなたたちが何故、こんなことを。
  無名騎士藩国をなんでこんなに荒らしたんだ。そんなにお腹が減っていたのか……。
  お腹がすいたのなら、砂糖水を舐めればいいのに……」
 
 「馬鹿め、お前たちは何もわかってはいない……。
  お前たちの真の敵は……」
 
 「真の敵は……!?」
 
 そのとき、黒オーマに振り降ろされる巨大な拳。シープホーンだ!
 
 「何をやってるんだ、シープホーン!」
 「だ、駄目だ、勝手に動いている、止まらない!」
 
 動揺するヒーローたち。ざわめく観客席。
 そのとき、シープホーンの掌の上に人影が表れる。立体映像だ。
 

イメージ:

 「ククク、ヒーロー諸君、まんまと我々セプテントリオンの思惑にはまってくれたようだね」
 「な、なんだって!」
 「お前が、本当の敵……!? シープホーンに何をした!」
 
 「その通り。そして、君たちが秘密兵器として喜んでいたシープホーンは、人間を食らって生まれる悪魔の兵器だったのだよ」
 「キシャーーー!」
 
 咆哮を上げるシープホーン。観客の子供たちが悲鳴を上げる。
 
 「我々悪の秘密結社セプテントリオンは、無名騎士藩国の産業を裏から支配し、
  こっそりとこのシープホーンの製造プラントを作っていたのさ。
  無名騎士藩国の民衆を餌としてな!」
 
 「な、なんだってーーーーー!」
 「そんな、まるで藩王様の世迷言じゃないか!」
 
 「馬鹿め、世の中はお前たちヒーローの予想など上回っているのよ。
  ほら、大統領だって最近放送でそう言ってるし」
 
 「くっ、ニュースもちゃんと見ておくんだったぜ!」
 
 悔しがるヒーローたち。
 
 「ククク、お前たちが邪魔な黒オーマを排除してくれたおかげで、無名騎士藩国の生産プラントを使い、
  大量生産したシープホーンでニューワールドを蹂躙してくれるわ。くはははは!
 
 「くそっ、黒オーマ。共に戦ったあなたたちを信じられなかった俺たちが間違っていた。
  ……だが、これ以上の破壊など、そんなことは俺たちがさせるものか!」
 
 「馬鹿め! シープホーン!」
 「キシャー!」
 
 シープホーンの一撃に、吹き飛ぶヒーローたち。
 
 「くそっ、なんてパワーだ……!」 
 
 「フフフ、圧倒的だな。
  ……ああ、そうそう。このシープホーンが何を原料にしたのかわかるかな。
  ……そう、お前たちのスーパーロボット、士季号をベースとし、
  人間を食わせることで魔改造したものなのだよ!」
 
 「……! 貴様、許さん! よくも俺達の士季号を……!」
 
 「クハハハハ、我々セプテントリオンの手は、すでに君たちakiharu国の内部まで伸びているのだよ。
  せめて自分たちが愛したスーパーロボットのなれの果てに殺されるがいい。
  やれ、シープホーン!」
 「キシャーーー!」
 
 ヒーローはやられてしまうのか!? さあよいこのみんな、ヒーローを応援するんだ!
 /*/
 シープホーンの拳を受け止める影があった。
 倒されたはずの黒オーマだ。
 
 「馬鹿な、貴様、死んだはずでは……!」
 
 「あの程度の傷、ちょっと寝てご飯食べたらなおったぞ!
  ……さあヒーロー、反撃開始だ!」
 
 「黒オーマ。すまない、俺たちのせいで……」
 
 「そんな細かいことは気にするな、さあいくぞ!」
 
 「おうよ!」
 
 シープホーンに立ち向かうヒーローたちと黒オーマ。
 彼らの戦いはまだ始まったばかりだ!
 
 終
 /*/
 拍手が終わり、静まりかえる観客たちに、司会マンが話しかけた。
 
 「みんな、今のショーでわかったと思うけど、黒オーマは敵じゃない。
  本当の敵はセプテントリオンなんだ。
  ……そして、僕たちの国にもセプテントリオンは巣食っている。
  そして、僕たちの雇った傭兵たちが、無名騎士藩国の黒オーマたちと敵対しているんだ」
 
  ざわめく観客たち。
  そのとき、司会マンの横に先ほど出演していたヒーローのうち、二人が現れた。
  これは、台本にもなかったのか、動揺する司会マンを横に、ヒーローは変身を解いた。
  会場が大きなどよめきに包まれる。ヒーローの衣装の中から表れたのは、
  なんとこの国の藩王涼原秋春と、摂政444だったのだ。
  藩王は、マイクを取り出すと言った。
 
 「みんな、聞いてくれ。
  誰にだって間違えることはある。もちろん僕たちだってそうだ。
  だけど、今この国は、悪の秘密結社によって利用されて、みんなに迷惑をかけてるんだ。
  僕たちの心の中にある正義は、今のままで許されるのか!?」
 
 そんなことはない! 叫びを上げる観客たち。
 
 「そう、その気合だ!
  今のショーでわかったと思うけど、どんな巨大な敵だって、みんなで力を集めればうち倒せるんだ。
  そして、敵は闇に潜む悪の秘密結社。
  みんなで協力しなければ、探し出すこともできはしない。
  そして、セプテントリオンは悪の秘密結社として、偽ヒーローを開発している可能性がある。
  ヒーロー協会未認可のヒーローも信用してはいけない。
  みんな、今こそ力を合わせるときだ! 僕たち第七世界人はいつもいるわけじゃない。
  判断に困ったときはレディの指示に従ってくれ!
  セプテントリオンを倒し、僕たちの雇った傭兵を止めるんだ!」
 
 
 立ち上がる観客たち。正義の心は再び正しい形で燃え上がり始めていた。
 出演:akiharu国ヒーロー協会
 脚本:摂政 444
 画像:技族 和志
 認可:藩王 涼原秋春