ここで、カマキリの生態を説明しよう。


・寿命は基本的に一年。春に生まれて冬に死ぬ。強い個体や運がよい個体は冬を越すことができ、更に大きく・強く成長する。
 
・一組の卵から爆発的に生まれてくるが、厳しい野生の生活を送り、
 特に幼少期はakiharu国に巣くう野生のクリーチャーとの戦いになるため、自然の淘汰が働く。
 
・誕生するだけでも高い根源力が必要となるため、昔は士季号による根源力供給のフォローがなければ満足に生まれてくることができなかったが、  近年はそのフォローなしでも生まれてくることができている。
 
・きわめて理性的であり高い知能を持つ、そして同時に正義の心に溢れている。
 
・短命のため、わりとせっかちである。
 
・衣食住のうち、食以外必要としない。
 
・鎌は高周波ブレード(ON/OFF可能)、光学迷彩能力を持ち、飛行する。
 個体によっては喉にレーザー発振器を後付けで装備して、レーザーブレスを吐く。
 
・羽は飛行の他に、振るわせて通信する第二の発声器官となっている。
 楽団をしているカマキリはこれを楽器として使っているほか、人間の可聴範囲外の音で通信したりもする。
 
・知的好奇心、行動力、ポジティブシンキングが過剰なまでにあふれている。
 本来食事しか要らないカマキリたちが機械などの技術研究を行うのは「おもしろそうだから」。
 ちなみに新技術投入で問題が出たら、随時パッチを当てて改善していけばいい、と言うのがカマキリの考え方。
 
・種族特性上、個々の幸福よりも全体の幸福を考えて動く思考に寄りがちで、それで人間と齟齬を起こすこともある。


なお、元々カマキリたちは極めて短命である代わりに、卵に親世代の記憶を継承する能力を持っていた。
しかし、これは生死の境界を極めて曖昧にする危険な技術だったのだ。
現在では神々の加護を受けた結果、この能力は封印されることとなった。
ただし、カマキリたちは突然記憶継承が行えなくなったことに困惑し、 条約をすり抜けるために産卵期にのみ人間に変形するという抜け道が横行した。
しかし、世界構造が不安定になっている現在、もはやそれすらも危険だという判断の下、 人は人、猫は猫、カマキリはカマキリらしく、それぞれの種族としての境界線が引かれることとなった。
これによって記憶継承を利用した教育は不可能となったが、 akiharu国においては種族が違っても同じ国に暮らす仲間である。
越冬に成功したカマキリだけでなく、人間や猫も力を合わせて、春に生まれる世代の教育を行うのである。


また上でも書いたように、本来カマキリは誕生するために大量の根源力を必要とするが、 現在彼らは誕生するときに高濃度の魔力を吸収することでそれを補っている。
ただし、このままでは成長と共にカマキリたち自身に大量の魔力が蓄積されてしまう。
それを防ぐため、カマキリたちはしばしば長距離飛行を行い、魔力の発散を行うのだ。
カマキリたちが短命であるにもかかわらずちょくちょく他国に向かうのは、 彼らの善意や好奇心と、魔力による被害を避ける本能が結びついた結果である。


高いテクノロジーと人間とは異なる倫理観を持つことから、
カマキリ種族は他国に益をなすと同時に、大きく害を及ぼしてきた。
しかし、巨大カマキリはまだ若い種族であり、変化の余地を大きく残している。
ヒーロー道の整備や安全確認の徹底化をはじめとして、戒めるべきところは戒めるという、 寛容の心をもって、これからも一歩一歩、ニューワールドとの調和のために成長していきたい。
それがakiharu国首脳部の心である。


Next:Shortstory ときめきMantisStory→