| 2008/06/27(Fri) 00:39:58 編集(投稿者) 2008/06/22(Sun) 18:47:39 編集(投稿者) 2008/06/21(Sat) 22:21:17 編集(投稿者)
「実は今まで黙っていたが、この輸送船は変形する!」 「おお!」 「カマキリにな」 キシャー! 「なんか鳴いてるよ!」 「ははは、ばかだなあ。宇宙空間で音が響くわけがないじゃない。ただの精神念波だよ」
―akiharu藩王の告白に見せかけた悪ふざけ…?―
恒星間輸送艦の建造、と聞いたakiharu国の面々は思った。
「なんでうちの国にそんな(まともでしかも致命的な)のが生えてくるんだ?」
akiharu国は密林を切り開いて建国された南国人国家である。ドラッガーと泥棒猫を風紀委員が追い掛け回すのが日常風景で、まともなアイドレスはほとんどない。いや、まともなアイドレスもあるにはあったのだがakiharu国の風土に触れると悉く変質してしまうのだ。ホントになんなんだこの国は。 ともかくそんなわけでakiharu国には恒星間輸送艦を建造しようにもノウハウもなければ技術も無い、そもそも宇宙港も打ち上げ基地もない。でもうちしか作れないならやるしかあるまい、とまさに無謀ともいえる挑戦に踏み切ったのである。
デデデンデンデデンデン デデデンデンデデンデン デデデンデンデデンデ
アイドレスシーズン1、にゃんにゃん共和国は重力の井戸から逃れられなかった。
akiharu藩王は宇宙への橋頭塁を築くために国民たちに命じた。
よし、目立てるし恒星間輸送艦を建造(つく)ろう。
星間リンクゲートを利用する、という前提から製造において機関推進部は作る必要がなくなり、宇宙開発技術を持たない共和国の技師にとって大きな助けとなることとなった。 一般に宇宙艦船に求められる要点は自力推進能力、堅牢性、動力源、乗員の居住性である。 だがリンクゲート間を移動するならば自力推進能力は不要、それによりこの輸送艦は製造・運用費の低コスト化に加え、乗員が必要がないと思われるほどに機体の制御系統はシンプルなものになった。
姿勢制御システム(RCS)には人工衛星の軌道制御や惑星間の飛行に使用されることが多いイオンスラスタを採用。 特徴として少ない推進剤で長時間作動させる事により大きな速度変化を与えることが可能であるため、万が一の事態において微弱ながら推進力の代用が可能なことである。
艦の構造は帝國が誇る多目的プラットホーム「ミアキス」でも採用された、メインフレームとペイロードブロックを切り離した「魚の骨」方式。 ミアキスとの最大の違いは艦橋や制御システムが存在するメインフレームがよりコンパクトに収まっており、メインフレームがコンテナよりも小さいことにある。 居住空間やメイン推進機構を必要としない分を緊急脱出用ボートや生命維持装置に割り当ててなお、外観上は凹凸の見られない無骨なシンプルなものとなっている。
大容量コンテナは電磁レールによる電磁石と金属アームによる二重ロックで固定。 コンテナは燃料、資源、I=Dなどあらゆる貨物に対応できるように多目的作業アーム、垂直及び平行式エレベータ、空調管理システム、宇宙線遮断構造をデフォルトで装備。
しかしながら輸送力に特化することに成功したこの船は開発の後に数奇な運命を辿ることになる。 リンクゲート対応に特化して開発がすすめられながら、共和国には星間リンクゲート開発の見込みがついに立たなかったのである。 ここで藩王涼原秋春はひとつの決断を下すこととなる。 宰相府より申し入れられた設計図の技術交換に応じたのだ。 これに対し開発陣からは少なからぬ反対の声が上がったが、藩王自らの説得と爆破テロ阻止に協力したになし藩国への友好の架け橋として作られる名誉な機体、として承諾されることになった。
私たちはこの船が、犬と猫の架け橋となることを願う。
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