番長というもの、それを一口に説明するには難しい。よって番長を表すとき、特別に使われる言葉が幾つか現れることになった。
 例えば以下のようなものがあげられる。
 
○バンカラ
 番長の一般的なファッション、または物言いのことである。
 番長であるもの、その男らしさを示すために荒々しい言動をするものが多く、それをバンカラと呼んだ。

 その思想は服装にも及び、弊衣破帽や下駄などが最も男らしいとされ着用されるようになり、このようなファッションも合せてバンカラと呼ばれるようになった。
 バンカラ以外の番長の服装としては、独自性を主張する改造制服や、所属集団を示す腕章などが挙げられる。
 主に素手での白兵戦を得意としており、鍛えられたその拳はあたかも輝いているような錯覚を引き起こす。
 他に武器として竹刀や木刀を用いることが多い。これはいかに敵といえど相手を傷つけないための番長らしい配慮である。
 
○スケバン
 女性の番長のことである。番長の条件に当てはまる者は何も男性だけではない。(そして人間だけでもないのだが)
 彼女たちも目指すところは多くの番長と同じである。違うのは外見であろうか。

 番長のように学ランを着用する者もいるが、その多くは地に着くほどのロングスカートを着用している。
 また武器としては竹刀や木刀などのほかにヨーヨーを使用することもある。
 これは筋力が弱い女性でも扱いやすいこと、また同時期にヨーヨーを武器とした奥義を体系化した名人と呼ばれる者の影響といわれている。
 
○タイマン
 タイマンを張る、という風に使う。1対1での喧嘩のことをいう。
 無駄な争いを好まない番長であるが、どうしても相容れない思想を持つ者、特に相手が番長である場合に、説得するため手段としてタイマンが張られる。番長を含む集団同士の戦いであれば、お互いの頭である番長がタイマンを張ることで決着をつけることが望ましいとされる。
 タイマンでは多くの場合武器は使用しない。
 唯一の武器は己の拳のみである。拳と拳で語り合い互いを理解することで、力の強さだけではない決着をつけることができるといわれている。
 無論、全ての敵がタイマン勝負に応じるわけではないし、たとえ敵が単体であろうとも、一人の力では到底勝てない巨悪(主にこの場合はI=Dをはじめとする機動兵器や、人知を越えたオーマとの戦いを想定している)の出現に際しては番長は仲間や友、そしてかつての強敵と力を合わせて戦いに臨む。敵が無数の集団であれば尚更である。
 タイマンはあくまでも被害を局限するための手段の1つであり、こだわるばかりにかえって仲間を窮地に落ち入れるようなことは恥ずべき事とされる。
 
○メンチ
 メンチを切る、という風に使う。睨み付けて敵を威圧する行為。
 主にタイマン勝負の前に使用されることが多く、威圧によって敵の肉体ではなく精神を折る事を目的としている。
 怯んだ相手が格の差を実感し、降参することで無益な争いを避けられることもときにはある。
 また、敵が自らに負い目を抱えた集団である場合、番長1人のメンチによって鎮圧されることもあると言われる。