phase3 甦る技術力 |
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phase03 |
「「よーしみんな、仕事をしてご飯食べるぞーーー!」 「おーーーーーー! ……うう、この日が来るのをずっと待っていたよう」 藩王からの、給料を食料として供給する形でのI=D工場および宇宙ステーション再起動を受けての、 /*/ 「すまぬ……すまぬ……」 技術者たちの声を聞いての、藩王と摂政の声 /*/ 「それじゃいきますよ。3,2,1……発射!」 轟音を立てて試験用コンテナがレールから打ち出され、しばらく滞空した後で、 akiharu国の外れ。 テラの環境は火星とは違い、重力や大気組成など様々な面で異なっていたが、 だが…… 「いかんなー、どうも試験用コンテナが安定しない。軌道がぶれる」 「シミュレーション上じゃ問題はなかったんだが……」 「実際に動かしてみないでわかるかよ」 「……しょうがない、マスドライバーをばらして検証してみよう。カマキリさんたち、よろしく」 はーい、と元気な声がひびくと、作業の手伝いをしている巨大カマキリたちが、マスドライバーを解体しはじめた ちなみに、海面に着水したコンテナを回収するのも彼らの仕事である。 カマキリは、空飛べるあたりは、うちのサイボーグより便利だなー、器用さではサイボーグの方が上だけど。 /*/ 解体してマスドライバーの細かいパーツごとに解析を行った結果、 「……部品の精度不足か」 「共和国の技術力低下がここで出るとはな……」 人間の目には見えず、機械でもほとんど判別できない、非常に小さな、しかし確実な、 「昔の工作機械の性能だったら問題なかったんだけどな……」 「しかしこれ、AGEHA2号のマスドライバーにも影響でないか? まあ、今問題が見つかってよかった」 「……いや、しかし、どうするよ、これ」 顔を見合わせる技術者たち。 「話は聞かせてもらった!」 「は、藩王様!」 「こういったときのために手は打っておいた。いくんだ……鍋の国へ!」 /*/ ここは鍋の国。 かつて、優れた職人たちを持ち高い技術力を誇りながらも、いつしか衰退し密林に沈もうとしていたが、 「各国からの技術援助を受けてさらなる高い技術を……つまり、寄せ鍋はうまい?」 「なるほど!」 「いや、違うだろ、それ!」 技術者たちが漫才をしながらたどり着いた先、そこは鍋の国の工場であった。 「すいませーん、誰かいませんかー?」 そのとき、工場の奥で動く影が! 「待っていたよ!」 「だ、誰だ……!」 「いや、あなたは……!」 そう、そこにいたのは……! 「おばちゃん!」 おばちゃんだった。 「いや、誰だーーーーーー!」 ツッコミを入れるFEGからの技術者たち。 「あ、FEGの人たちは知らない? 鍋の国でI=D工場とかやってるパートのおばちゃんたち」 「どうも、鍋の国へようこそー」 説明しよう。 「akiharu国の人から事情は聞いたよ、若い子たちが情けない。 「わー、やったー」 こうして工作精度の問題は解決された。 ありがとう、おばちゃん! /*/ 余談1: ある日のおばちゃんへの質問。 「おばちゃん、どうやったらそんなにきっちりぴったり製品を仕上げられるんですか?」 /*/ 余談2: akiharu、FEG、鍋の首脳部会議。 「すいません、ご協力をお願いして何ですが、うちの国からの 「いや、当然だろ。うちの国のやつらには言っておく」 「末端では結構ゆるゆるになりますしね。うちも言っておきますよ」 「お願いします。うちも、情報流出はいけないことだって教えるヒーローショーやりましたんで」 「「あー……」」 |