プロローグ マーズエクスプレス計画発動

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「akiharu国は、いや、共和国は今危機にある!
 だからこそ、共に和してこの危機を乗り越えねばいけない!
 みんなの力を合わせて、今こそ踏み出そう、新しい開拓地……火星へ!」

涼原秋春藩王・マーズエクスプレス計画発動の演説

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時は戻る。

akiharu国の首脳部、涼原秋春藩王と、444摂政は、
すっかり草木に包まれた政庁の執務室で、頭を抱えて悩んでいた。

「国民が死にすぎた。このままじゃ、国がまずい……」

マンイーター。セプテントリオンが仕込んだとも言われるその病は、
共和国に大きすぎる傷を残していた。
akiharu国では、多くのカマキリたちが人や猫といった少数民族を守って命を落していた。

「うちの国は、カマキリたちに守られていたからな。そして、彼女ももういない……」
「だけど、それでも、前に進むしかないんだ……」

重くなる空気。

「気を取り直して考えよう。カマキリたちが傷ついた今、今度は少数民族である人間や猫が頑張る番だ」
「外貨を稼いでこれる新しい産業がいるな。……だけど、ターキッシュバン2宇宙型の開発には、まだ時間がかかる」
「まずはI=D工場の再稼働からだしな。そして傷ついているのはakiharu国だけじゃなく、共和国全体が苦しんでいる」
「共に和し共和国全体を守る……よし!」

藩王は、執務机から古い書類を取り出した。

「かつての火星開発プロジェクト……これが、共和国の明日を救う!」

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火星開発プロジェクト、それはかつて、大増殖したカマキリたちが、
人間による差別から逃れるために、宇宙ステーションを使って
差別のない火星へと旅立つためのプロジェクトであった。

だがこのプロジェクトは、akiharu国が全力でカマキリを受け入れた結果、
自然消滅していたのだ。

藩王はこの計画を、新天地の開拓のために使おうとしていた。